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大学時代、フランスに1年間留学に行かせてもらった事がある。

英語よりもフランス語の方が得意だった。

どうしても本場の空気が吸いたくて親に懇願し許しを得て行ったものの、フランスという国はなかなか東洋人を受け入れてはくれなかった。

もちろん口には出さないものの、ちょっとしと態度が明らかに現地パリの人とは異なる。

最初はカルチャーショックを受けながらも、徐々に慣れていき、1ヶ月を超える頃から友人なるものもできた。

その最初にできた友人と企てたのは、バカンス時期に海外へ行くこと。

（自分からすると既にフランスは海外だが）

どうせなら異国の地へ...

という事で、アフリカ大陸の最北端、モロッコへ行くことになった。

パリからマラケシュまでは、飛行機で3時間程度。

東京から沖縄に行くくらいの感覚だ。

元々フランスの植民地だった事もあり、フランスの文化が適度に根付いている。

かのサンローランが愛した庭園もあるほどだ。

照りつけるアフリカの陽射し、マラケシュの喧騒は今思い出してもとても良い経験だった。

時は経ち、無事に大学を卒業。

就職をしても、ふとフランスやあのモロッコ旅行を思い出す。

スークの色とりどりの野菜、山積みにされたスパイス。

これは、まさにあの頃の刺激的な香りに近い。

"SPICES BOUQUET（スパイセスブーケ）"

初心に帰りたいとき、頑張っていた自分を思い出したい時に必ずこの香りを持ち出すようにしている。