2024.04.05
男性のワードローブのなかで、もっとも重要なアイテムはジャケットであることに異論はないと思われますが、時代ごと、シーズンごと、その選択基準に少しずつ変化があることもまた事実。
素材はもちろんのこと仕立ても確実に進化を遂げた今シーズンのジャケットは驚くほどライトでコンフォート。気分的には "リラックスしてゆるく" 着られるのです。そんなジャケットの着方についてON&OFFの観点から再確認していきたいと思います。前編では、オンのジャケットスタイリングからお送りしましょう。
・ボリオリ / ウールバスケット織り ジャケット 132,000円
・マリア・サンタンジェロ / ストレッチ レギュラーカラーシャツ 34,100円
・ビー・アール・ショップ / シルクニットタイ(ブラック) 12,100円
・インコテックス / ウール 1プリーツ パンツ(グレー) 49,500円
・アンダーソンズ / ドレス ベルト 20,900円
・ジャコメッティ / タッセル スリッポン 102,300円
オンタイムのシーンに於けるジャケットは信頼と品格の証。それだけに確かな一着が求められます。ベーシックなカラーを基調に、クラシックをベースにした良質な仕立てのものなら品格を損ねず、ビジカジが定着した令和の時代にも十分対応できるのです。
ボリオリの名品「ドーヴァー」なら、その役割を存分に果たしてくれるでしょう。クラシックテーラリングをベースにしながら副資材を省いたアンコンストラクテッドという、モダンな手法で、2000年代のモダンクラシックを牽引してきたパイオニア。さらにクラシックでは使わない「黒」という色を使うことで、ビジネススタイルへの応用を可能にしました。快適な着心地は、軽い仕立ての成せる技としてメンズワードローブに定着しています。
バスケット織りの軽快な素材を使ったこの一着には、同じブラックのニットタイを合わせ、グレスラでミニマルシックに着るのが良策です。シャツは白のドレスシャツ。ストレッチが効いているので着心地がかつてのそれとは比べ物にならないのも、現代ビズスタイルの新ルールといえそうです。
・タリアトーレ / ウール メタルボタン ジャケット 118,800円
・マリア・サンタンジェロ / リネン ワンピースカラー シャツ 39,600円
・ベルウィッチ / ストレッチ ウール&モヘア パンツ(scotch) 39,600円
・カルロ リーバ / コットン ポケットチーフ(グリーン) 9,350円
・ジャコメッティ / ユタカーフ ローファー 113,300円
フォーマルカラーでもあるグレーはともすれば地味に陥りがちですが、こんな風にグレーのジャケット×黒スラという組み合わせになると、ノーブルな印象がモダンなルックスに仕上がります。しかもジャケットはメタルボタンのダブルブレスト。ブレザー感覚のグレージャケットに、都会的なドレスアップスタイルが浮かび上がります。
ダブルのジャケットも肩構築はあくまでナチュラル。前合わせが浅く、ラペルはゴージ位置も低めに設定されていて着丈もハーフヒップというリラックス加減。ここにウエスト2プリーツのパンツを合わせ、ストイックなのにどこかリラックスしている、そんなスタイリングが可能になっています。このユルさをキープするために、あえてタイドアップはやめてワンピースカラーのシャツで襟元を開きました。ポケットチーフを挿すことで、ドレッシーな趣も表現しています。
・タリアトーレ / コットンジャージー メタルボタン ジャケット 110,000円
・フェデリ / シルク&カシミア ニット 93,500円
・ベルウィッチ / ストレッチコットン 1プリーツ パンツ 30,800円
・ジャコメッティ / スウェード モンクスリッポン 117,700円
「オフィスカジュアル」がもはや過去のものになりつつあるほど、オフィスでカジュアルであることは普通になりました。ではどこまで崩してよいものかは、それぞれの判断に任せられているとはいえ、そこはやはりビジネスマナーとしての一線は保ちたい。礼節、品格、清潔感を大切にしたスタイリングを心がけたいものです。
ネイビージャケットに白パン、の合わせ方はエレガンスカジュアルの常套手段。かつて「きれいめ」と呼ばれたスタイリングでは、典型例の組み合わせです。ジャケットはジャージー素材でインナーはあえてカラーニット。パンツもコットンワンプリーツで足元はスウェードモンクを合わせました。クラシックをご存知の方からすると、思いきりカジュアルな装いですが、現代では十分ドレススタイルの領域です。これぐらいスマートで紳士的なカジュアルスタイルがオンの装いとして許されないはずがないのです。
現代美術作家・杉本博司が構想から20年をかけ実現させた壮大なランドスケープ。館内は美術品鑑賞の為のギャラリー棟、石舞台、光学硝子舞台、茶室、庭園、待合棟などから構成される。夏に向けて夏至光遥拝の会・夕景の部や、満月の会なども開催される。陽の長くなるこの季節ならではの江之浦の風情が楽しめる。
□夏至光遥拝の会:6月21日(金)4:00~7:00/夕景の部:8月(土日月)17:00~19:00/満月の会:5月、8月、10月、11月、12月 ※詳細は公式HPにて
■事前予約制で公式HPよりチケットを購入
■問い合わせ:0465-42-9170(9時~17時/水曜・臨時休館日を除く)
■住所:神奈川県小田原市江之浦362-1
■(午前の部)10時~13時(午後の部)13時30分~16時30分/料金3,300円/入替制
■(夕景の部) 17時~19時/料金2,200円
■休館日:火・水・年末年始・臨時休館日
Director & Styling : 四方章敬 / Photographer : 渡辺修身 / Hair Stylist : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : BRUNO(THE MANAGEMENT) / Production Manager:佐々木利浩 (B.R.ONLINE) / Producer : 大和一彦 (B.R.ONLINE)