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新卒で出版社に入社。

以来、雑誌の広告営業を任されて十数年、出版界のさまざまな状況を見てきた。

私が入社した頃は雑誌というものの影響力が凄まじく、掲載したら商品が売れるという状況。

そんな感じなので、こちらとしてもクライアントへは強気な姿勢を見せていた。

何しろこちらから特に営業を掛けなくても、バシバシ広告掲載の依頼が来る。

それをこなしていくだけで大変だった。

あれから時は経ち、インターネットの広がりやスマートフォンの普及で出版界は大きく変わってしまった。

特にコロナ渦以降はひどいもんだ。

毎月のように他社からは休刊が発表され、どの雑誌も一時期の1/2くらいの厚さになってしまった。

売上を付録に頼っていた雑誌は、雑誌なのか付録なのかよく分からない状態に。

それでも漫画は売れていると言うことで、人気漫画を出版している大手出版社は安泰だろう。

我が社はというと...

webやコンサルなど、雑誌以外の事業でマネタイズする事に成功し、何とか生き延びている状況だ。

一時期の上から目線の営業というのはもちろん通用せず、クライアントに頭を下げまくる毎日。

思うように付いてこない売上に、ストレスは溜まる一方だ。

そんな中ストレスを発散、というか心を落ち着かせる儀式が、自宅でキャンドルを炊くこと。

炎のゆらめき。

翌日も適度に残る心地よい香り。

すっかりキャンドル無しでは生きられなくなってしまっているほどだ。

毎日のストレス発散を経て、今日も営業先に向かう。