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giab's ARCHIVIO STYLING / 2017AW vol.1「ジャブス アルキヴィオ」 のパンツはなぜウケる?

2017.08.08

実はこのシルエットを完成させるのに2年かかりまして(笑)

そう話すのはジャブスアルキヴィオのデザインおよびトータルプロデュースを手掛ける中新井淳平さん。普段はミラノ在住ですが、久々の来日のところを急遽取材させていただいた次第。モノが売れないと言われるご時世に、受注量がなんと昨対比300%超えしているパンツを手掛ける御仁なのです。さて、爆発的に売れているそのパンツには”どんな仕掛け”があるのでしょうか。


老舗メーカーで生まれた“柔軟な頭脳”

「giab’s ARCHIVIO(ジャブスアルキヴィオ)」はイタリア・フィレンツェに居を構える1953年創業のトラウザーズファクトリー。60年以上にわたり、トラウザーズ一筋に有名メゾンのパンツなど一手に手掛け、その高い技術とクオリティは世界的に保証済み。そんな歴史あるファクトリーブランドから新たなラインをスタートさせたのが、今回モデルとしてもご登場いただいた中新井さんなのです。


業界でも驚きの素材をいち早く採用

ジャブスアルキヴィオではそれまでどのメーカーも展開していなかったナイロン素材を積極的に採用し、早々にドレスタイプのパンツを展開しました。これはとてもチャレンジングな試みだったのですが、この迅速な決断と実行が実を結んだ様子です。とはいえ、賞賛の裏には緻密な計算も伺えます。

「新素材を闇雲に使ったわけではありません。ジャブスアルキヴィオがナイロン素材のパンツで成功したのは、連綿と続くパンツ専業ファクトリー(パンタロナイオ)の技術と職人ワザが合ったからこそ実現したと言えます」

そのクオリティをさら高めるために、マーケットの声を聞くことを怠らなかったという中新井さん。

「現ラインはまず日本から試験的にスタートしました。製品に対して細かなリクエストや注文があるのが日本の市場です。その声をさらにフィードバックして商品のクオリティに反映しています」。いまでは日本のみならず、イタリア、フランス、アメリカ、中東にも市場を拡大中のようです。


“パンツの常識”をあえて壊す

「例えばジャブスアルキヴィオのドレスパンツですが、素材をナイロンにしたことで、あえてマーベルト仕様をやめました。すると、チノパンや軍パンのようなワークパンツのような体に無駄なく吸い付くフィット感が生まれます。その結果、動きやすく働きやすいと評を得るようになったのです」

またシルエットやディテール同様、素材にも並々ならぬこだわりが。

「“シャカウール”がお客様に非常に好評でした。ウール、ナイロン、ポリウレタンの3種混はドレス的な見え方をする一方、フィット感はスポーティという優れた素材。この素材から、エレガントでスポーティなパンツが完成したのです」


ボトムズこそが時代性を表す

現在、ファッションにおいて外せないキーワードが”スポーティさ”。とりわけ移動の多いビジネスマン、動きやすいものを着るのに慣れている大人にはシャカウールは最適だったようです。しかも、シルエットが大人の男性に使い勝手のいいものであったのも要因です。

「ジャブスアルキヴィオのパンツはドレッシーな見栄えですが、アクティブに動きやすいハイブリッドなパンツなのです。これだけリラックス感を感じながら会社にもきちんと着ていける。これが強みです」


売れるアイテムのキーワードは“アジャスト”

「例えば最初からパンツにクリースを入れないことでスニーカーにも合いますよね? しかもタイドアップ姿にも合う美しいシルエットですから、まさにドレスからスニーカーまでスタイルを選びません。また、ストレッチ性があり、スポーティで機能的な使い勝手が現在の大人のライフスタイルをカバーアップしてくれるのです」

中新井さんが指摘するように、あらゆる着こなしにフィットするのがこのパンツなのです。市場のニーズに新しいクリエイティビティがフィットしている証。新生ジャブスアルキヴィオの快進撃は、まだまだ続きそうです。



ジャケパン姿にいまどき感を加味するなら「MASACCIO(マサッチョ)」

ウール、ナイロン、ポリエステルの3種をブレンドした”シャカウール”はジャブスの代表素材。シワになりにくく、一年を通じてはけるので人気が高いのも伺えます。永久クリースが付いているので、こうしたジャケットスタイルでもシックにキマる。ほどよくストレッチが効いているので、スリムなシルエットでも充分に動きやすい点も日常使いに絶好なのです。

パンツはジャブス アルキヴィオ「マサッチョ」32,400円、ジャケットはラルディーニの3Bホップサック101,520円、メガネはブラン32,400円、ポロシャツ、シューズは中新井さん私物。


パンツ丈は短すぎにご注意を

パンツ丈はくるぶしがほんのり見えるか見えない程度のジャスト丈がシルエットを美しく見せるコツ。パンツ丈が短いのはカジュアル過ぎですので、大人はほどよくジャストで。このさじ加減は重要です。


ポロシャツは派手に広げず

ジャケットのインナーにポロシャツを合わせた場合、襟をラペルに出さずあえてラペル内に納めるのがシックです。開襟シャツのように広げずとも、同トーンのダークなVゾーンには艶感が漂います。


知的さを宿す黒セルは絶好のアイテム

大人のシブい顔つきをさらに引き締めてくれるのが黒セル。自然にメガネに触れる仕草など、どこかインテリな雰囲気が漂います。



ボリューム感あるアウターには細身の「MASACCIO(マサッチョ)」でバランスよし

ボリュームのあるファー付きのアウターはこの秋冬も人気継続ですが、ともすると大人にとってはカジュアルすぎる場合が。そんな時はドレス感あるボトムスを合わせるのが手。スリムでシャープなシルエットと、ほどよいドレス生地が使用された「マサッチョ」なら、コーディネートも一気に都会的な雰囲気を醸し出してくれるのです。

パンツはジャブス アルキヴィオ「マサッチョ」32,400円、セッテフィーリカシミアのVネックニット70,200円、アウターとスニーカーは中新井さん私物。


リッチなファー使いが余裕ある大人のこなし方

コートの前立てを締めれば、リッチなファーが襟元を飾ります。秋冬のアウターはどこかラグジュアリーな素材感がポイントです。


スニーカーと相性抜群のドレスパンツの秘密

足元をカジュアルなスニーカーで合わせても難なくキマるというのが、このパンツの最大の特徴。ひざ下から絶妙なテーパードが施され細身の裾幅がいい塩梅なのです。



タイドアップ姿がモダンに映える「VERDI(ヴェルディ)」

腰回りがほどよくユルく、しかもエレガントな見栄えの「ヴェルディ」。素材は秋冬一番人気のストレッチサキソニー。リッチな素材感、ほどよくテーパードした美シルエットはジャケットと相性がよく、とりわけタイドアップの着こなしを引き締めるのに最適です。白シャツにソリッドタイと色数を抑えたVゾーンも禁欲的にキマります。

パンツはジャブス アルキヴィオの「ヴェルディ」27,000円、ジャケットはサルトリオのハウンドトゥース197,640円、シャツはレギュラーカラーのアヴィーノ・ラボラトリオ・ナポレターノ37,800円、タイはソリッドのフランコ バッシ17,280円、チーフはムンガイのリネンハンカチーフ3,240円、シューズは中新井さん私物。


モノトーンのVゾーンも常にアップデートを忘れずに

色を差さないモノトーンのVゾーンは、どんなかたもシックな見栄えになります。シャツ襟はレギュラーカラーに、タイの織りにも変化があったりと、白シャツ、白チーフ、無地のタイは定番だからこそ常にアップデートして用意しておきたいところ。



カジュアルスタイルがモード的な仕上がりになる「VERDI(ヴェルディ)」

センタークリースがあえて甘めに入っているので、スニーカーとも相性がよく、大人のドレスダウンには絶好のボトムスといえます。ブルゾン感覚で羽織ったトレンチコートもこのパンツのおかげで、ほんのりモードなスタイリングに昇華しています。

パンツはジャブス アルキヴィオの「ヴェルディ」27,000円、ニットはオフホワイトのセッテフィーレカシミア70,200円、サングラスはブランのコンビフレーム36,720円、シューズは中新井さん私物。


大人は白を巧みに使うべし

トレンチなどのアウターを大人っぽく着るコツは、白を差してシンプルにまとめること。ダークな色合いとのコントラストがつくのでシャープに見えますし、なにより清潔感が全面にアピールされます。


差し色は足元からというのも手

モノトーンのスタイリングが少々地味に感じる時は、指し色使いが手。とりわけ足元に色を指すのが簡単です。こちらはキャンバス素材のカジュアルなスニーカーですが、鮮やかな色効果でアクティブな印象に。またその際、パンツの裾を少し長めにとり、スニーカーにかかるくらいの長さにしておくと、ボリュームあるアウターとのバランスが最適です。

なお、今後続々とB.R.MALLにジャブスアルキヴィオが入荷します!
ぜひ、お楽しみに。



中新井淳平 (なかあらい じゅんぺい)

1978年茨城県生まれ。ミラノの名店「エラル55」を経て、現在は「ブライアン&バリー」や「ボッジ ミラノ」のコンサルティング、アウターウエア「サマス」やイタリアンシャツブランド「ベヴィラクア」のクリエイティブディレクターなど多岐に渡り活躍。2012年から4シーズン、トラサルディのミラノコレクションでランウェイモデルを務めるなど業界でもひっぱりだこの人気者。


CREDIT
Producer : 大和一彦 / Model : 中新井淳平 / Photographer : 福本和洋 / Styling : 稲田一生 / Hair&Make : 勝間亮平 (masculine) / Writer : HIRO / Designer : 中野慎一郎
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