2018.09.28
・キンロック / シルク スカーフ
・デ・ペトリロ / モヘア混 6B スーツ
・アヴィーノ・ラボラトリオ・ナポレターノ / ブロード レギュラーカラー シャツ
・フラテッリジャコメッティ / カーフスコッチグレインローファー
スーツやジャケットスタイルは、タイドアップしないときのノータイのVゾーンが、なんとなくモノ足りないものです。ならばむしろクルーネックのTシャツやニット、タートルニットなんかを合わせて着こなすスタイリングのほうがしっくりくるという方も多いことかと。実際、ここ最近はTシャツ&ジャケットスタイルは定番化していますし、秋冬はタートルのインにシャツを合わせるスタイルも一般化していて、人が集まると着こなしがカブることも少なくありません。タイドアップしたスタイルなら、タイの柄が同じことはまずありえないので気恥ずかしい思いをすることはありませんが、タートルニットの首元からシャツの衿羽根を覗かせる着方がカブったときは、さすがにお互い気まずかったりするものです。
大人っぽく洒脱で、しかも他人とカブらない着こなしなら、ノータイのシャツに『スカーフ』を巻くのはいかがでしょう。スカーフ使いを気恥ずかしいと思われる方もいるようですが、お洒落の先進国イタリアでは、タイの代わりに使うことも多く、アスコットタイほど仰々しくないので気軽に結びやすいとされます。盛装して出席するパーティの席では、タイドアップよりも華やかですし、気軽なドレスアップカジュアルにも、とてもポピュラーなアクセサリーなのです。色柄を抑えれば、ビジネスや気軽な外出時にも利用できますし、巻き方も難しくないので、今年こそスカーフデビューしてみてはいかがでしょう。
いきなりスカーフを巻くことに少々抵抗があるなら、ダブルのスーツやジャケットと合わせることをオススメします。ダブルはシングルに比べてVゾーンが狭いので、スカーフが見える面積は小さく、それほど主張することはありません。むしろ柄見えしないので、派手なスカーフを使ったほうがよいかもしれません。ボリュームをつけないように巻くのがポイントですので、くるくると細くねじってから2つ結びして、衿の中に納めれば、派手めな色柄はまったくと言っていいほど気になりません。ちなみに、ここで結んでいるKinlochのスカーフには、ロシアの町並みが描かれているのですが、ほら、全然わからないでしょ。
・キンロック / シルク スカーフ
・デ・ペトリロ / カシミア 3B ジャケット
・ボルゾネッラ / デニムBDシャツ
「スーツにスカーフを合わせるようなスタイルはドレッシー過ぎる」と思われるなら、ジャケットスタイルに合わせてみてはいかがでしょう。ボトムズはデニムやチノパンでアメトラっぽく装ってもいいですし、白パンやグレスラできれいめなコーデもOKです。その際、ドレスシャツではなくカジュアルなデニムシャツにすれば、よりカジュアルな気分が高まります。言ってみれば、スカーフというよりバンダナ気分ですね。アメカジのバンダナにはペイズリー柄が使われることがあるように、スカーフの柄も幾何学的なものが良いでしょう。
・キンロック / シルク スカーフ
バンダナ使いするスカーフは、色柄も壮大なイラストモチーフよりシンプルな幾何学柄がオススメ。ここで使ったKinlochは、今季のテーマに「ロシア」を掲げていて、この柄はロシアの民族衣装サラファンに用いられる柄にインスパイアされているものです。幾何学的なモザイク柄は、細く折りたたんだ時に連続柄となってモダンな印象を醸します。約70cm四方のサイズは折りたたんでもボリュームが出すぎず、衿元のアクセントとしてちょうどいいのです。
・キンロック / トライアングル シルク スカーフ
・シカス / スエード シャツジャケット
・グランサッソ / クルーネックニット
もっと気軽にスカーフを使うなら、カジュアルなスタイルに合わせるという手もあります。クルーネックのニットの衿元に、キュッと細くねじったスカーフを結べば、差し色的なアクセサリーとして有効な使い方になります。ここではネイビースエードジャケットにネイビーのニットを合わせ、衿元には反対色のオレンジ色のスカーフを挿してみました。服装と同じネイビー系のスカーフを同系色で合わせれば、よりさりげない合わせ方でお洒落な感じの仕上がりになります。
・キンロック / トライアングル シルク スカーフ
カジュアルなスタイルにスカーフを合わせるときは、ボリュームを押さえた細巻きで結びたいところ。そんなときのスカーフは正方形ではなく、トライアングル型のほうがいいでしょう。結んだ両端はニットの中に入れてしまっても構いませんが、外に垂らしても洒落た感じに仕上がりますよ。トライアングルスカーフの連続した菱形は、ロシアの建物の屋根に見られる文様をモチーフにしたものです。
こちらの動画はB.R.CHANNEL Fashion College
Lesson.161「2018秋冬トレンド解説」からの抜粋です。
全編をご覧になりたい方はこちらから
Producer : 大和一彦 / Styling & Direction : 四方章敬 / Photographer : 川田有二 (Riverta Inc.) / Hair&Make : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : Nils Wendel (image)
撮影協力:British Hills