BLOG / Kentaro Matsuo

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ロバート・タテオシアンさん

2019.12.26

ロバート・タテオシアンさん
タテオシアン・デザイナー

英国ロンドン発のアクセサリー・ブランド、“タテオシアン”を主宰する、ロバート・タテオシアンさんのご登場です。キング・オブ・カフリンクスの異名を持ち、その商品を80カ国以上で展開している、世界的に有名なデザイナーです。生活の7割は旅をして過ごしており、行く先々でインスピレーションを得るといいます。

東京の定宿は、大手町のパレスホテルです(総支配人の渡部勝さんには、以前このブログにご登場頂きました)

毎回、同じスィートに泊まっています。バルコニーから皇居が一望できる、素晴らしい眺めの部屋です。そしていつも自らの手で、エスプレッソを淹れてくれます。ソーサーには、これまたいつも、小さなチョコレートが添えられています。タテオシアンさんは、“オモテナシ”の人です。

THE RAKE創刊5周年記念号を携えて伺うと、
「5周年おめでとうございます! いま雑誌の世界で生き残って行くのは、とても大変ですよね? 素晴らしいことだと思います。私のブランドは創立30周年を迎えました。本当に時の経つのは早いものですね・・」とのお言葉を頂戴しました。

私の中では、タテオシアンは、いまだにフレッシュなイメージがありましたが、もうデビューから30年も経つのですね。色褪せない理由は、タテオシアンさんが次から次へと繰り出す、新しいアイデアのせいでしょう。彼の手にかかると、地球儀、時計の部品から、隕石や化石など、ありとあらゆるものがアクセサリーへと生まれ変わります。

「今回はスニーカーの紐につけるアクセサリーを考えてみたんだ。カフリンクスならぬ“シューリンクス”と名付けたよ。クールだろう?」

なるほど、これは面白い。今までなかった類のアイテムですね。

ジャケット、シャツ、トラウザーズはすべてニール・バレット。
「ニール・バレットは、コンテンポラリーで、ちょっと“ツイスト”が効いているところが好きなんだ。ジャケット丈が短くて、スリムなフィッティングは私の好みだし、ジップや変わったデザインのボタンがついていたりと、ディテールにも凝っている。同じ英国のブランドだからか、タテオシアンの世界観に通じるものがあるね」

アクセサリー類は、もちろんすべてタテオシアン。
「カフリンクスはアンモナイトとブラック・ガンメタルを組み合わせたもの。ブレスレットにはブラック・ダイヤモンド、ホワイトゴールド、シルバーなどが使われている。こうやってブレスを“スタッキング”するときは、同じカラー・グラデーションにするとうまくいく。今日は、ブラックからブラウンでまとめてみた。トラウザーズのブラウンに合わせてみたんだ」

時計も、タテオシアン。
「機械式のオートマチックで、両面がスケルトンになっている。裏からは、ローターが回るのを見ることができるよ」

シューズは、トッズ。そしてソックスは「ヴェリィ・ブリティッシュな」パンスレラです。

ファッションのポリシーは、オケージョンとムードを大切にすること。

「旅先では、毎日同じ格好になりがちだけど、そうするとだんだんと気が滅入ってくる。だから、必ずブラック、ブラウン、グレイ、ネイビーと4色のジャケットを持っていき、着こなしに変化をつけるようにしているよ。今日の装いは、東京の秋にはパーフェクトだろう。これで明治神宮へ行くんだ(笑)」

そうそう、明治神宮はタテオシアンさんのお気に入りの場所で、来日すると必ず足を運ぶそうです。

これはよく知られた話ですが、タテオシアンさんは、自らのブランドを立ち上げる前は、一流の大学を出たインヴェストメント・バンカーでした。しかし、エリートの職をなげうって、カフリンクス・デザイナーへと転身したのです。

「理由? まず私は、私自身のボスになりたかった。それから、どうしても好きなファッションの世界で仕事をしたかった。あと、世界中を旅行したかった。カフリンクスは小さいから、旅に有利だと考えた。最後に、当時のカフリンクスは、退屈なデザインのものばかりだった。だから、これなら活路が見いだせるかもしれないと思ったんだ」

その思惑は大当たりしたというわけです。

それにしても、スタート当時は不安だったのでは?

「私のコレクションを、最初に買ってくれた店が4つある。ロンドンのハロッズとハーヴェイ・ニコルズ、そして東京の資生堂ザ・ギンザとバーニーズ ニューヨークだ。バーニーズはニューヨーク店ではなくて、日本のバーニーズだった。4つのうち2つが日本だ。だから私は日本が大好きだし、今でも“アリガトウ”と思っている。デザイナーになったばかりで、不安だった私の背中をプッシュしてくれたのは、日本人だったんだ」

日本人男性のファッションについて、何かアドバイスをと伺うと、

「私が日本人にアドバイスできることなんて、何もないよ。日本人の着こなしは素晴らしい。それぞれの人が、それぞれのシグネチャーを持っている。貧しくても金持ちでも、20代でも60代でも。例えば、友人でアクセサリーを取り扱っている、山田潤さんのトレードマークはレッドだし、私のエージェントの(当日通訳してくれた)内田さんは、パープルをうまく着こなしている。あなた(松尾)はいつもスーツを着ているよね。ファッションで大切なのは、何より“インディヴィジュアル(個性的)”であることだ。アクセサリーはそのためにある。日本人は、そこができている」

おやおや、私は日本人は(私も含めて)没個性的だと思っていましたが、世界的デザイナーにそういわれると、とても嬉しいですね。

皇居が眺められる部屋に泊まり、明治神宮へ毎度参じるタテオシアンさん。その感性はとても繊細で、日本的な部分を持っています。タテオシアンのアイテムは、日本人の個性を引き立たせるものだと思います。最新のコレクションを、ぜひご覧になってみて下さい。

https://www.tateossian.com/tatjpy/

実は私が、普段はジーパンばかりなのは、秘密にしておくことに致しましょう(笑)

 

THE RAKE
therakejapan.com

PROFILE

松尾 健太郎

松尾 健太郎

THE RAKE JAPAN 編集長


1965年、東京生まれ。雑誌編集者。 男子専科、ワールドフォトプレスを経て、‘92年、株式会社世界文化社入社。月刊誌メンズ・イーエックス創刊に携わり、以後クラシコ・イタリア、本格靴などのブームを牽引。‘05年同誌編集長に就任し、のべ4年間同職を務めた後、時計ビギン、M.E.特別編集シリーズ、メルセデス マガジン各編集長、新潮社ENGINEクリエイティブ・ディレクターなどを歴任。現在、インターナショナル・ラグジュアリー誌THE RAKE JAPAN 編集長。

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