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トガオシ。Vol.264大人カジュアルにマストな夏アウター

2023.05.25

トップス1枚には、まだ少し早いと思われる悩ましい季節です。梅雨入り目前の今時分に最適なアウターとは、どんなものでしょうか?テーラードジャケットよりも気軽で身軽、それでいてきちんと品のあるカジュアルアウターを戸賀さんに伺ったところ、大人カジュアルの第一線をご紹介いただきました。


リネンブルゾンを今風のバルーンシルエットに

ピーティートリノ / リネン ジップアップ ブルゾン
フェデリ / BR別注 リブ付き クルーネック Tシャツ
ピーティートリノデニム / BR別注 ホワイトデニム パンツ

アフターコロナのメンズスタイルの傾向として、テーラードジャケットのバリエーションを減らしてブルゾンなどカジュアルジャケットをニュークラシックの先鋒に据えるところが増えています。戸賀さんのスタイルもテーラードジャケット以外のアウターを羽織る機会が増えているようです。

「男の服はいつの時代でもシンプルでベーシックであるべき。その上で、バランスやニュアンスを時代に合わせて調節できるブランドが一流と言われる所以だよね。PTトリノはまさに、そんな機微をすごくよくわかっているブランド。トータルコレクションとなってからは、その実力を如何なく発揮していると思わない?」

そう話す戸賀さんが羽織っているのはPTトリノのジップアップブルゾン。機能性素材が幅を利かせる時代に、クラシック味を存分に味わえるリネン100の天然素材アウターです。シルエットはリラックスした今風のオーバーサイズ。バルーンシルエットともいえるモダンデザインは、年齢も体型も問わずに着られそうですね。

「PTトリノがいち早く取り組んだのは、イタリア男が大好きな襟付きのジップアップブルゾン。このテのイタリアンブルゾンは、いろんなブランドが注目しているから、これからもっともっと人気が出てきそうだよね。その時、どんなブランドを選んでいるかが重要かも。クリエイティブなPTトリノならセンスも十分。リネンでオーバーサイズのアイテムなんて珍しいんじゃないかな。」

確かにイタリアンクラシックでリネンをゆったり着こなすモダンなコーデの提案はありそうでなかった新鮮なスタイリングです。ブルゾンを前開きのまま、羽織るように着るのも今季らしい採り入れ方で、ブラウンベージュのブルゾンにオレンジのインナーというカラーリングにもポップな時代感が表れています。

「リネンでこんな風に遊べるなんて、贅沢なアウターだね。こういう服のときは、スニーカーは合わせたくないよね。秋まで着ていてもおかしくないし、どうせならシワを気にせず着たいかな。リネンはシワがカッコいいんだよって、昔担当していた自動車評論家の徳大寺有恒さんに言われたことを思い出したよ。」

ホワイトデニムを合わせたくなるカラーバリエーション

▲ ピーティートリノ / リネン ジップアップ ブルゾン
ブラック / ブラウンベージュ / ライトベージュ / ダークパープル

襟付きのリネンブルゾンは、さらりと羽織るのにちょうどいい裏地のつかない薄仕立て。背中のボックスプリーツ、裾をゴムシャーリングにすることで、今っぽいバルーン風のシルエットを描きます。

「シャツジャケットっていう言い方があるけど、こいつはシャツブルゾンって感じかな。ダブルジップだから、開け方を工夫して着られるところもいいね。袖はシャツ袖になっているところもカワイくて、ワルそうに見えないところもいい。モテを意識していないのに、ちゃんとモテる服って、こういうところなんじゃないかな。」

カラーバリエーションはブラック、ブラウンベージュ、ライトベージュにダークパープル。あえてネイビーなどブルー系のベーシックカラーを外しているところもPTトリノのセンスでしょうか。と、なるとパンツはホワイトデニムを合わせたくなるというもの。こんなところも戸賀さん風に着こなせるポイントかもしれません。

羽織るだけで今風になれるGジャンタイプのシャツブルゾン

バグッタ / オックスフォード Gジャンタイプ ブルゾン
フェデリ / BR別注 リブ付き クルーネック Tシャツ
ジャブスアルキヴィオ / エアリーコットン リラックスパンツ / MASACCIO / R1

こちらは以前もご紹介したことのあるバグッタのGジャンタイプ ブルゾン。いわゆる3rd型のトラッカージャケットを、シャツ地のピンポイントオックスフォードで仕立てました。

「Gジャンなのにシャツ風に羽織れるところが新鮮でいいよね。しかもシルエットはちょいユルのオーバーサイズってところも今風だし。シャツを羽織るのは、ちょっとラフかなって思うけど、こいつは適度に裾丈もあるし肩もちゃんと落ちていて、ラフというよりリラックス。普通のGジャンをオーバーサイズで羽織っても、このシルエットで着るのは難しいんじゃないかな。」

古着に精通した洋服マニアならともかく、誰が着ても戸賀さんっぽくキマるのは、各部のサイズスペックが絶妙に設定されているから。袖を捲くって羽織るのも、こなれて見えるポイントです。

「この生地選びはシャツ屋の真骨頂。これ以上、薄くても厚くても、このゆったりシルエットは描けないんじゃないかな。シャツブランドがシャツ一辺倒ではなく、こういうアイテムを手掛けられるっていうところに、ブランドとしての力量というか余裕を感じるね。さすがはイタリアを代表するメゾンのシャツを手掛けてきた最大級ファクトリーだけのことはある。そうか、だからデザイナーズっぽいクリエーションが得意なんだね。」

手持ちアイテムとの新しい着こなしを考えるのが楽しくなる一枚

▲ バグッタ / オックスフォード Gジャンタイプ ブルゾン
ホワイト / ブルー

脱ぎ捨てておくとまるでシャツのような軽さがリアルに伝わってくるGジャンタイプブルゾン。ホワイトとブルーのオックスフォード地というラインナップからは、上質なドレスシャツが重ねて見えてきそうです。

「シンプルにして定番型っていうGジャン風のデザインにはクラシックな印象もある。仕事着としてブルゾンを着るなら、こういうタイプも良さそうじゃない?オーバーサイズシルエットのリラックス感は、誰が着てひと目で今風だから、いま時分はアウターとして、秋冬からは上にゆったりとコートを羽織るような着方もできそうだし。」

たしかに羽織りモノとして着るだけでなく、シーズン問わずいろんなコーデが楽しめそうなところは、コーディネートのアイデアを掻き立てられるものがあります。このGジャンタイプブルゾンが一枚あれば、クローゼットの中をいろいろ組み合わせて見たく鳴るので、お洒落感度が鍛えられそうですね。

大人の余裕が漂うシンプル&ベーシック+ちょいモダンなカーディガン

セッテフィーリカシミア / リネン&コットン ミドルゲージ ニットカーディガン
フェデリ / BR別注 リブ付き クルーネック Tシャツ
ジャブスアルキヴィオ / エアリーコットン リラックスパンツ / MASACCIO / R1

最後はリネンコットンのカーディガンをアンサンブル風に着こなして。ここまでゆったりシルエット系のコーデが続いたので、あらためてシンプル&ベーシックなアイテムが新鮮です。黒クルーTシャツとのアンサンブル風という戸賀さんの着方は、上品リッチな大人の余裕を感じさせます。

「いろんな意味で余裕を感じさせるのがカーディガンだと思う。インナーのハサミモノとしてはもちろん、ジャケット風に羽織ることもできて、誰からも好印象だからね。海外のトラディショナルなホテルのラウンジや、ミシュランホルダーのレストランとか、こういう服が映えるシーンっていうのは必ずあるもの。正統派のジャケット紳士とも並んで話せる、カジュアルアウターといったところだね。」

5本撚りのリネンとコットンの混紡糸を使ったミドルゲージのカーディガン。前開きで着てもラフになりすぎないフィッティングと、ボタンを留めてもクラシックすぎない適度なVゾーン設定で、ほどよいリラックス感が漂います。ボタンは少し大径のものというところが、そうさせるのかもしれません。

「甘めの編み立てもリネンが入ることでドライタッチで涼し気。セッテフィーリならではの技術力がすごくよく出ているんじゃないかな。ブランド名に“カシミア”ってつくから勘違いしがちだけど、ちゃんとカシミア以外のニットもあるんだよね(笑)」

ちなみに今日、ここまで戸賀さんが着ていたインナーは、すべてBR別注フェデリのクルーネックTシャツ。これは袖裾にリブが付いたデザインになっているので、戸賀さんも太鼓判。カットソー地でも半袖ニット風に着こなせることから、戸賀さんが「これならOK」と納得しているアイテムです。ニットカーデとの相性もぴったりですので、アンサンブル風に着るのに最適ですね。

オフィスからプライベートまで、肩掛け&腰巻きも思いのまま

セッテフィーリカシミア / リネン&コットン ミドルゲージ ニットカーディガン (ブラック / ダークブルー / ダークブラウン)

空気を含んだミドルゲージのカーディガンは、肩掛けや腰巻きといったアクセサリー的な使い方もしやすいタイプ。オフィスでもプライベートでも活用範囲の広いカーディガンは、シーズンレスな定番ながらあらためて注目が集まっているアイテム。この時季の軽量アウターとして、ブルゾンやシャツジャケットに並ぶローテーションの一枚となりそうです。

「早朝ゴルフに出る朝や、夜遊びして帰る時間など、ちょっと寒かったり、最近は夏でも熱中症対策で冷房利かせてるところも増えてきたから、カーディガンの出番は増えそう。それにいま世の中がジャケットマストになっていないからこそ、端正とユルさが同居するガーディガンの需要が高まっているんだとも思う。まわりの友達もカーディガン派が増えている気がするな。」

CREDIT

Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎

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