2022.12.19
かつて服装より厳格とされた時計のドレスコード。その規則性が崩壊しつつある時代に、ドレススタイルにスポーツウォッチ、カジュアルなデニムに三針時計を合わせる自由な選択が可能となっている。ルールが崩壊したきっかけは、時計が「時を計る機械」という役割を脱却したとき。それはフランク ミュラーがこの世に誕生した瞬間からかもしれない。
「腕時計はアクセサリーだ」なんて、当たり前のことを今更説くつもりはないが、フランク ミュラーは「時」という音楽を奏でる「楽器」ではないだろうか。白いスポーツセットアップ姿のREIKAの腕元で、バングルのように輝くフェイスに踊るビザン数字。フランク ミュラーオリジナルの意匠である。そこはまるで金色の音符が並ぶ五線譜。レクタンギュラーの比率さえ計算された美意識下にある「ロングアイランド レリーフ」は、楽器のように「時」という名の優雅な独奏曲を奏でている。
黒のジャケットスタイルは、性別も国境も越えるユニバーサルなスタイルである。そして同時に「時間」と「時代」を越えることができるタイムレスなスタイルでもある。シーンを限らない装いには、時を限らない永遠の腕時計を。古来より今も、金と革は流行に左右されることなく、永遠の価値を保ち続ける。18Kピンクゴールドケースとクロコダイル ストラップを組み合わせた機械式の「ロングアイランド」が、REIKAの腕で、永遠の命を刻む美しい生き物のように密やかに息づいていた。
寛ぎの時。上質なカシミヤのニットを纏いながら「時間」の鎖から解放されたいと願っている。変則配置されたインデックスの上を針が自在に飛び回る「クレイジー アワーズ」は、1日を24分割する「時間」の概念から解き放たれるための装置。アイコニックな「トノウ カーベックス クレジー アワーズ」は、時を忘却の彼方へ追いやる救世主、あるいは自分だけの大切なひと時の創造主だろうか。答えはフランク ミュラーを身につけたREIKAの自由な意志に託された。