2022.03.31
戸賀さんの着こなしは、大人の男性の理想系です。長くファッション誌の編集長を務めていただけに、定番を選びながらも仕立てと素材は上質なものを厳選していて、流行に踊らされることなく上手に取り入れています。特にこだわりが伺えるのは秀逸なボトムズ選び。今日は、その極意を伺ってきました。
▲ ピーティートリノ / ストレッチ コットンギャバ ノープリーツ パンツ / SKINNY FIT(ブラック)
仕事着が板についてくると、ついつい毎日同じような服装になってしまうもの。休日の服に違和感を感じたり、クローゼットから掘り出した若い頃の服を着てみたら、なんとなく似合わなくてタンスの肥やしにしてしまったり、大人になるとお洒落の幅が狭まって、いつも同じ服装になりがちです。ドレスからカジュアルまで、いつも幅広いスタイルを楽しまれている戸賀さんは、着こなしやアイテム選びをどのようにされているのでしょう。
「結論から言っちゃうと、急激にワードローブを入れ替える必要はないと思ってるよ。流行に乗ってあれやこれや服装を変える必要はないし、服に踊らされないたくはないのでね。とくにビッグトレンドには要注意かな。例えば今どきのシルエットはリラックス&ルーズが流行りだけど、これにいきなり乗っちゃう大人は痛々しいよね。大人はトレンドをトップスで表現して、ボトムズはこれまで通りスリムなシルエットがいいんじゃないかな。」
今日の戸賀さんはピーティートリノのスキニーチノ。ストレッチコットンの細身パンツは、フロントは流行りのプリーツではなくフラットなノープリーツ。シャープなヒップラインと細身&美脚なシルエットに製品染め(ガーメントダイ)もこなれた雰囲気を醸します。九分丈にスリッポンを素足履きするのは、いつもの戸賀さんのスタイル。そこへ今どきなゆったり羽織れるシャツを着て、しっかりトレンドも取り入れていました。
「シャツは若干大きめだけど、若い人が着てるみたいな、ユルユルのルーズシルエットは必要ないかな。このぐらいのほどよいトレンドの取り入れ方のほうが、大人らしいと思うんだよね。」
▲ ピーティートリノ / ストレッチ コットンギャバ ノープリーツ パンツ / SKINNY FIT (ブラック / ブルー)
▲ピーティートリノ / ストレッチ コットンギャバ ノープリーツ パンツ / SKINNY FIT (ホワイト / ダークブラウン / ライトグリーン)
ピーティートリノのスキニーチノは全5色展開。しっかりとしたギャバジンは、穿き込むほどにフィット感が増していきます。しかもストレッチを混紡しているので膝はもちろん、腰回りのフィッティングも快適。ガーメントダイならではの味わいも、大人のこなれ感を感じさせます。
「ピーティートリノはブランドの出自からして、適度なトレンドを取り入れるのが巧みだよね。シルエットは細身をキープしながら、ストレッチ素材の採用はどこよりも早く、ガーメントダイの技術力も高い。テーラードジャケットはもちろん、今日みたいなオーバーシャツとも合わせられるオールマイティなパンツ。こういうパンツって、他では意外と見つけにくいんじゃないかな。」
▲ ピーティートリノデニム / ストレッチ ホワイトデニム パンツ(ROCK) / SKINNY FIT
ほどよくトレンドを取り入れながら、細身の美シルエットを継承しているピーティートリノは、デニムのコレクションにも定評があります。戸賀さんなら、やはりホワイトデニムを選びますよね。
「ホワイトデニムも昔ながらのアメリカンデニムでは、どことなくスタイルが野暮ったく見えてしまいがち。ピーティートリノデニムは流行やトレンドをしっかり押さえた上でしっかりアップデートしているから、トップスはニット1枚というシンプルな着こなしもスタイリッシュに見えるんだ。」
定番のアメリカンデニムより、美脚スリムなイタリアデニムが大人ならではの選択肢です。こちらのデニム、シルエット「ROCK」。ベーシックモデルの「SWING」よりもスキニーな美シルエットにこだわったモデルで、オーセンティックなデニムよりトレンド感を感じさせます。
「無理にワイドシルエットのパンツを穿くよりも、穿き慣れた細身のほうが安心感があるよね。その安心感こそが服に着られない大切なポイントなんだ。このぐらい細いホワイトデニムでも、大人が違和感なく穿けるところはPTの”らしさ”でもあるし、世界中の大人から支持されているポイントだと思います。」
▲ ピーティートリノ / ストレッチ ナイロン ノープリーツ スソZIP パンツ Active (ブラック)
ピーティートリノには「Active」という今どきな進化系パンツのカテゴリーもあります。こちらはトレンドを介しながらも、大人向けのほどよい細身テーパードシルエットを描いています。最新トレンドの80'sなワイドテーパードやキャロット型のシルエットはたしかに最新ですが、そこに手を出さないところがPTらしさ。大人の好感度とは、この行きすぎない節度にあるようです。
「ストレッチナイロンのPT Activeは、まさにいまどきな進化系パンツ。どんなことでも時代にキャッチアップすることは大切だけど、そのうえで自分なりのスタイルも大切にしたい。進化系パンツにビッグシルエットのスウェットを着るのではなくて、大人はラグジュアリーなニットに合わせたほうが絶対いいよね。」
トレンドを押さえながらも、無理せず自分に合った服を正しく着ること。そのうえで、取り入れられるトレンドにトライする勇気や積極的な姿勢も大切ですね。
「大人になるとライフスタイルも含めて見識は広がるけれど、体型や加齢といったデメリットも当然でてきます。そういった状況から目を背けて服装だけ若く装うのはダサいと思う。でも、若い人の服を否定しちゃいけない。だからこそ大人には年齢や社会性、ステイタスに合わせた服選びが大切なんだって思っています。」
Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎