2018.10.12
スリムテーパードやプリーツパンツ、進化系パンツの台頭などパンツがトレンドを牽引する時代に、次なるトレンドを模索している方もいらっしゃるかと。そこで早いひとたちが注目しているのがデニムなんです。
・ピーティーゼロチンクエ / SWING コットン ストレッチ ウォッシュド ブラックデニムパンツ
・ルカ グラシア / コットン コーデュロイ シングル3Bジャケット
・マッシモ ダウグスト / POLO コットン フランネル プルオーバーシャツ
・ドルモア / ウール ミドルゲージ タートルネックニット
「デニムなんて、アウトトレンドでは?」と思われるかもしれませんが、その視点こそがアウトトレンド。グレスラやクロスラが全盛のいまだからこそ、デニムが新鮮なんです。とはいえ、いきなりインディゴのデニムには抵抗があるのも分かります。そこで、まずは黒デニム、つまりはブラックデニムからはいってみるのはいかがでしょう。
たとえばこちらは、コーデュロイジャケットにブラックデニムの組み合わせ。ワントーンでまとめた秋らしいシックなジャケット&デニムのスタイリングに合わせたブラックデニムは、ピーティーゼロウーノの兄弟ブランドであるピーティーゼロチンクエです。「チンクエ(イタリア語で数字の5)」とは、5ポケットパンツ、つまりはジーンズ型のパンツを意味するもので、本家のドレスラインとデニムラインを分けて本家譲りの美シルエットを継承したデニムを展開しています。
いわゆるアメリカンなデニムとは一線を画すモデルがラインナップされていて、各モデルは音楽のジャンル名で8つに分けられています。こちらのブラックジーンズは、スーパースリムフィットと呼ばれるシルエットが特徴的な「SWING」。スーパーでスリムですからスキニーなイメージを連想させますが、履いてみるとクリース入りで、いま話題の進化系パンツに近いシルエットです。細身のデニスラに近いので履きやすいというわけです。
ブラックデニムはウォッシュ加工されていて、まるで手持ちのワードローブのようにこなれた印象が漂います。新品なのに、昔から履き込んで身体に馴染んだブラックデニムを履いているかのような無造作感も洒脱です。もちろんストレッチを混紡しているので、はき心地は快適。裾がデフォルトで1.5cmターンナップされている(しかも縫い留めてある!)のも、デザイナーが「このスタイルではいてほしい」という思い入れですので、丈をお直しする際には、ターンナップを残してもらうのがよいでしょう。
・ピーティーゼロチンクエ / SWING コットン ストレッチ ウォッシュド ホワイトデニムパンツ
・スティレ ラティーノ / ウール カシミヤ ツイル ダブル6Bジャケット
・インバーアラン / シェットランドウール ケーブル クルーネックニット
ホワイトデニムも上掲のブラックデニムと同じ仕様です。白いボトムズは大胆な色合わせも可能ですので、赤など暖色系のアイテムを挿すのも手。ネイビージャケットに赤いアランセーターを差し色使いしても、白パンならすっきり爽やかにまとまります。偶然にもトリコロールカラーとなったので、どこかフレンチな可愛らしさも薫るのではないでしょうか。
ここでホワイトデニムを秋冬に履くのを意外に思われる方もいらっしゃるかもしれません。大人のカジュアルには、あえて白を取り入れるのをおすすめするのにはいくつか理由があります。いつもグレスラばかりでは、どうしても似通ったスタイルになりがちですし、カラーリングも限られてきます。ここでホワイトデニムならトップスの色を選ばず、カラフルなシャツやニットも簡単に合わせられるんです。「こんな色のトップス、どう着ればいいかわからないや」と思ったら、迷わずホワイトデニム一択です。それにリッチな大人ほど、通年ホワイトデニムを愛用しています。汚れやすいあえての白を、気にせずは着こなすところに大人の余裕が漂うからなのでしょう。
・ピーティーゼロチンクエ / コットン リヨセル ストレッチ ウォッシュド デニムパンツ
・スティレ ラティーノ / グレンチェックウィンドウペーンダブル6Bチェスターコート
・ル デュ トーキョー / ウール カシミヤ ローゲージ クルーネック ニット
・ギローバー / コットン ソリッド ウォッシュド ワイドカラーシャツ
こちらは安定のブルーデニム。ウォッシュの具合が程よく、ダメージ過ぎないところが大人の選び方でもあります。着方はジャケット&デニムでもいいのですが、ここではテーラード型のコートをデニムで着くずすスタイリングを選んでみました。ブルーと相性のいい茶色を選ぶあたりもポイントで、ここでも定番カラーリングの「アズーロ・エ・マローネ」を使っています。インはニットメインですが、洗いの利いたシャンブレーのシャツの衿元を覗かせることでデニムとのバランスを良好にしているところもポイントで、テーラードコートの重さを中和して、いい感じに肩の力の抜けた印象を醸しているのではないでしょうか。デニムとテーラードコートの組み合わせ、今季は面白いかもしれません。
Producer : 大和一彦 / Styling & Direction : 四方章敬 / Photographer : 酒井貴生 (aosora) / Hair&Make : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : Dylan bell (Image)