
2017.10.13
ビジネススタイルのカジュアル化や、クラシックブランドがモードと融合するなど、メンズスタイルの境界線が曖昧化しているなか、あえてクラシックの原点回帰を標榜するブランドがあったりして、今季はファッションが賑やかでとても面白いシーズンです。スーツスタイルも、これまでよりずっとクラシックなエッセンスを取り入れた着こなしがトレンドに挙がっています。
たとえばこちらはナポリのクラシコブランド「SARTORIO」のスーツです。かのKitonグループに所属する一銘柄で、ヴィンテージ風味の生地を使うことで毎シーズン話題となるブランドです。仕立ては既成服最高峰のファクトリーならでは。最新のマシンと共に熟練した職人の手仕事を組み合わせることで、現代的なスーツ&ジャケットを作り出していることでも有名です。
上掲のスーツもナポリならではの丸いフォルムが見て取れるでしょう。タイドアップ姿には、ほんのりと和らいだ雰囲気が漂います。素材には英国クラシックの伝統を継ぐグレンチェック柄の生地を使っている点も今季らしいところ。パンツは旬のプリーツ入りで、余裕ある腰回りからテーパードするボトムズシルエットがスーツを今風に仕上げています。
シャツはFinamoreのクレリック&タブカラー。このタブカラーシャツは英国のフォーマル由来のものですので、襟もとをキュッと絞り上げるストイックな着方はこの優雅なスーツのスパイスとしてピリッと緊張感を与えてくれます。タイのジャカード柄の赤色とソックスの赤色を呼応させる遊び心には、スーツを遊ぼうという積極的な心意気が表れていて好感が持てるところです。
イタリアで好まれるチョークストライプのスーツはTHE GIGIの「DEGAS ALP」。素材もTHE GIGIらしい圧倒的な存在感あるチョークストライプならその貫禄は十分過ぎるほど。2ボタンのシングルピークドラペルというデザインは、クラシック回帰とともにモードやフォーマルといったエレメントの融合といわれる、今シーズン非常に人気が高いトレンドモデルです。ちょっと見えませんがチェンジポケット付き、パンツはワンプリーツ入りで、先程のSartorio同様、いまの気分をリアルに体現しています。 素材はほんのり起毛感あるサキソニーウール。これからの季節、上質で滑らかな肌触りが格別なうえ見た目にも高級感が漂います。ここにプレスの効いたブロードのシャツとヘビーオンスのシルクタイを合わせて、まるで英国紳士風に着ては少々近づきがたい威圧感を感じてしまうかもしれません。そこでハンドステッチで手仕事の温もりを感じさせるFinamoreのシャツと、Alteaのニットタイを合わせて寛いだ雰囲気を醸してみました。これならドレスアップしたエレガンスはそのままに、フレッシュでソフィスティケートされた印象に着こなせます。
ASTILE houseでは10月15日(日)まで、THE GIGIやSARTORIOを中心としたスーツ&ジャケットフェアを開催中です。同店でしか手に入らないエクスクルーシヴモデルも豊富にそろえています。期間中は、スーツ、ジャケットをお買い上げ頂いたお客様には、お直し代金を無料でサービス中です。この冬、ビジネスユニフォームとはひと味ちがう、スーツ&ジャケットをお楽しみください!