2018.12.28
昨秋、伊勢丹メンズでのB.R.CHANNEL公開収録も大成功を収めた、いま破竹の勢いのデ・ペトリロ。もはやB.R.ONLINEレギュラーメンバーといってもいいでしょう、オーナーのベニーさんが、2019年春夏のコレクションについて語ってくれました!
デ・ペトリロ オーナー
ベネディット・デ・ペトリロさん
1959年ナポリ生まれ。1980年代初め、義父の経営する縫製工場で経験を積み、1987年、アパレルメーカーを設立。90年代には、アントニオ・ラ・ピニョッラ(元キートンのモデリスト、アントニオ・ピニョッラ氏が手がけたクラシックブランド)に取り組み、サルトの技術や表現を学ぶ。2009年、デザインから生産、販売までを一貫するデ・ヴィ・インダストリア社をナポリ郊外の町、フラッタマッジョーレに創立。自身の名を冠したデ・ペトリロをスタートさせた。
B.R.ONLINEのレギュラーとしてお馴染み、デ・ペトリロのオーナーでありディレクターのベニーさんにお越しいただきました。先日は伊勢丹メンズで行われたB.R.CHANNELの公開収録にもゲスト出演していただき、ありがとうございました。
たくさんのお客様にいらしていただき、こちらこそありがとうございました。
歴史的な公開収録後、伊勢丹メンズでデ・ペトリロの売上が爆発的に伸びたそうですよ。
それは、本当によかった! 日本のお客様がデ・ペトリロをどのように着ていらっしゃるかをこの目で見ることができたことは、とても貴重な経験でした。いつもはブランドのフィロソフィやテーマなどを一方的に伝えるばかりで、ユーザーからのフィードバックを得ることはなかなかないのです。伊勢丹にも、B.R.ONLINEにも感謝の気持ちでいっぱいです。
私たちもブランドの知名度が、とても高まっていることがわかりました。今回の公開収録の大成功を目の当たりにした伊勢丹メンズからオファーが来まして、この春B.R.ONLINEと伊勢丹とで新しい取り組みがスタートするなど、各方面に良い影響を及ぼしています。私たちからもお礼申し上げます。そして、そんなデ・ペトリロが2019年に10周年を迎えます。
10周年を迎えるにあたり、今春からブランドロゴ、ネームタグが変わります。2019年秋冬のコレクションを発表する1月のピッティ ウォモでは、ナンバリングを入れたアニバーサリータグ付きのスペシャルアイテムも発表する予定です。
それでは‘19年春夏のテーマとオススメのアイテムを教えていただけますか。
インスピレーションの源はナポリ人がロンドンへ旅するイメージです。これまであまり取り入れてこなかったブラック×ホワイトといったカラーバリエーションや、シアサッカーにもブラウン×ブラック、ブルー×ブラックという配色を用意しています。
このシアサッカーをあえてダブルのスーツにしてみました。かなりイメージが変わるのではないでしょうか。
シアサッカーってブルー×ホワイトのイメージだったけど、これは印象がガラリと変わりますね。
ブラウン×ブラックの千鳥格子のジャケットも素材はコットン×リネンです。白のコットンパンツが似合いそうです。レンガ色のリネン混素材をダブルのジャケットにしたら、タスマニアウールのライトグレーパンツを合わせたいですね。ベージュ×ブルーという色もロンドンの街並みからインスパイアされたものです。太い格子柄生地のジャケットはデニムパンツでカジュアルに合わせるのもオススメです。
ガレス(グレンチェック)も地中海風のものとしてスケールの大きいものを選んでいます。
たしかにプリンス・オブ・ウェールズなどのクラシックな英国テイストとは一線を画した印象です。Tシャツで地中海のリゾートも似合いそうです。
全体的にナポリのフィルターを通した英国といった印象ですね。クラシック味の強い英国というよりも、ロンドンらしい若々しいイメージでしょうか。色柄以外に特筆すべきことはありますか?
今春からベルテッドのサファリジャケットやブルゾンなどを展開しています。少しずつブランドの世界観を広げていこうとトライしているんです。それと仕立てについてですが、さらに進化させることが出来ました。よりソフト(軽く柔らかい)でコンシャス(適度なフィット感)な着心地を楽しんで頂けるはずです。
具体的にはどういった部分を修正したのですか?
型紙はもちろん副資材も毎シーズン見直すようにしています。肩の作りは前肩の日本人体型に沿うように作り込みました。芯地も新しいものにしたので、工程も変えてアイロンプレスの工程を増やしています。
先シーズンは上襟の芯地変更をされました。今季はさらに手を入れているようですね。
この春もデ・ペトリロらしい、とてもモダンクラシックなラインナップです。
色味の強すぎないものを選んだのは、これまでデ・ペトリロを着てきた人にも受け入れやすいようにという配慮から。私自身がロンドンに影響を受けたうえで、どのような色柄を着るかを考えています。だからすべてが流行を追いすぎず、自分自身の好きなもの、自分自身が着たいものなんです。
ということは、ベニーさんの着たいもの、ベニーさんのクロゼットをイメージしているといってもいいですね。
基本的に私はリラックス感のある色柄が好きなので、トラッドだけどフレッシュなラインナップになっていると思います。そして、どこかナポリの海と太陽の色を感じさせるでしょう。流行は英国調でもデ・ペトリロのフィルターを通すと、ナポリの風が吹くようになっている。それは、私が生粋のナポリ人だからです。
ナポリ人って、ブレないというか、誇りみたいなものがありますよね。
昔からナポリは、ギリシャ、ローマ、フランス、スペイン、などヨーロッパの強豪国に加え、アラブやアフリカからも多くの人がやってきて栄えた都市です。外国人は皆ナポリの美しさに魅了されながらも、また自国へと戻っていきます。彼らを受け入れ、そしてまた送り出してきたのは私たちナポリ人なのです。ナポリ人はどこへも行かず、ずっとこの地に住み続けている。自信と信念に溢れ、この地を愛してやまないのです。それこそがナポリの血であり誇りです。コレクションには私のナポリ人としての矜持が映し出されているのではないでしょうか。
10周年を迎えるにあたりフィレンツェで開催されるPITTI UOMOに初出展することになりました。デ・ペトリロならではのナポレターノとしての誇りと現代的な感性が融合したプレゼンテーションにご期待ください!