2018.08.28
・2プリーツ パンツ【GIO/W】/ giab's ARCHIVIO
・プリント オープンカラー シャツ / BAGUTTA
・コンビフレーム サングラス / BLANC..
・グレインレザー Uチップ シューズ / PARABOOT
ここ数シーズン、スタイリングの要はなんといってもボトムズシルエット。かつては「膝下ストレート」とか「美脚・脚長」なんて言われていましたが、いまやすっかり「テーパード」&「9.5分丈」が主流です。素材もストレッチを混紡した「進化系パンツ」が人気で、膝が曲げやすいとか、シワになりにくいなど、いいことずくめで、すっかり現代人の定番アイテムに収まりました。なかでも進化系パンツ人気を牽引するブランドは、giab’s ARCHIVIO。マサッチョやヴェルディなど人気のモデルをラインナップしていますが、今季、待望の新作が登場しました。
新作のモデル名は「ジョー」。2プリーツ&サイドアジャスター仕様で股上もやや深めになっています。ストレッチナイロンツイルの素材使いで、デザイナーズっぽい表情のモダンなボトムズを描くことから、トップスも個性を主張するデザインシャツが似合うというもの。オープンカラーのアーカイブ柄シャツを着こなすのに、クラシックなグレスラなどでは、いまひとつ制御しにくいのですが、このテの黒パンなら意外とシック&モダンにこなせます。足元はくるぶしが覗く9.5分丈。短すぎない、かといって長くない、この絶妙な計算ができればスタイリングに知的なセンスを醸せます。
キャロット型のシルエットを描くため、腰回りに余裕をもたせるプリーツが2本入っています。現代の技術ではプリーツなしでもこのシルエットを描くことはできるのですが、プリーツで腰回りを飾ることで伝統的な技術を取り入れたクラシックなパンツらしい表情を描いているんです。ながいことノープリーツのパンツを穿き慣れてきた人にとっては新鮮ですし、大人にはちょっと懐かしいディテールでもあります。
ベルトループのないサイドアジャスターは、もともとビスポークのパンツに見られる仕様で、ベルトで締め付けてサイズ調整する既製品ではなく、採寸して自分サイズに合わせた高級仕立て服であることを示すものです。もちろん現代では装飾的なディテールですが、ベルトを使わないウェストラインはすっきりとモダンに見せるポイントでもあります。しかもこの「ジョー」、股上も深く腰位置が高いので、自然と脚長に見える構造になっているんです。
シャツを裾出しで着るとこんな具合い。いわゆるノープリーツのスリムパンツとはボトムズラインが異なることが、おわかりいただけるかと思います。腰まわりの余裕から、ゆったりと膝まで降りて、膝下から裾まで細身にテーパードするので、スラックスのストレートなシルエットよりもモードっぽい表情になるんです。そのうえクラシックなパンツの場合、基本的に黒という色は使われないのでその点でも“進化系”パンツであることがわかります。有りそうで無かった、大人がはいてサマになる黒スラという点でも、giab’s ARCHIVIOはイノベーティブなパンツブランドだと言えるのです。
・ノープリーツ パンツ【MASACCIO】/ giab's ARCHIVIO
・ニット ガウン / Settefili Cashmere
・クルーネック Tシャツ / Cruciani
・トライアングル シルク スカーフ / Kinloch
・カーフスコッチグレインローファー / F.LLI Giacometti
こちらはgiab’s ARCHIVIO定番のモデル「マサッチョ」。永久クリース入りのノープリーツ&細身テーパードで、両サイドのウェストシャーリングとドローコード付きのモデルです。素材はストレッチ混のウォッシャブルウールとなって、自宅で洗濯が可能になりました。細身にテーパードするシルエットは、シャープなボトムズシルエットを描くので、トップスは少しリラックスしているぐらいでもすっきり着こなせます。例えばこんなニットガウンを羽織るスタイルでも、ユルさと緊張感の配分がとれるので、リラックスしていながら品よくモダンに見せられるんです。
サイドにはゴムシャーリングを配して、ドローコードを結ぶことによって、ベルトレスではけるイージーパンツ仕様の「マサッチョ」。伸縮性ある素材使いはもちろん、ベルトで絞らないのでお腹周りはつねに楽ちんですし、長時間の移動を伴う旅行や出張にも便利で、ジェットセッターに愛用者が多いこともうなずけます。脚のラインをシャープに見せる永久クリースは、ステッチでキープされているため、洗濯しても落ちることなく、アイロンプレスも不要です。ウォッシャブル素材になったこともあり、さらにイージーケアになりました。
・1プリーツ パンツ【VERDI】/ giab's ARCHIVIO
・チェスターコート / TAGLIATORE
・クルーネック ニット / ZANONE
・スエード モンクストラップ モカスリッポン / F.LLI Giacometti
こちらはgiab’s ARCHIVIOのエントリーモデルともいえる「ヴェルディ」。1プリーツ入りでほどよく細身のシルエットは、ノープリーツパンツからいきなり2プリーツのキャロットシルエットには抵抗あるという方にもはきやすいシルエットです。素材は、このブランドを一躍有名にしたイタリアンサキソニーストレッチ。さらりと滑らかでシワになりにくく、ハリとコシに優れているためシルエットがきれいにでるのが特徴です。こちらはよりクラシックなスタイリングが得意ですが、キャメルカラーの登場で、色を使ったコーデが楽しめるようになりました。黒やグレーのパンツばかりという方は、オレンジニットとキャメルのパンツを組み合わせるようなカラーコーデから冒険してみるのもよいのでは。秋冬シーズンなら、ロングのコートを羽織れば色柄ものは“差し”アイテムとして案外気軽に着こなせますので。
Producer : 大和一彦 / Styling & Direction : 四方章敬 / Photographer : 鈴木泰之 / Hair&Make : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : ILJA (Image)