• TOP
  • FEATURE
  • リッチな大人が選ぶムートンの魅力

トガオシ。Vol.88リッチな大人が選ぶムートンの魅力

2020.01.09

B-3フライトジャケットに代表されるムートンジャケットって、抜群にラグジュアリーだけど、難しいアイテム。ただ、ムートンを着るだけでラグジュアリーな雰囲気を手に入れることができるアイテムでもあるんです。そんなラグジュアリーなムートンの攻略方法を戸賀敬城が紹介します。


大人ムートンの選び方と着こなし方

サイレンス / ムートン ジャケット B-3タイプ

そろそろ薄手のレザーでは、少々寒さがきびしい季節。戸賀さんもレザージャケットからムートンを着ることが多くなってきた様子です。その代わり、インナーは上質なカシミヤのハイゲージニットで十分まかなえております。

「僕にとってムートンジャケットは、若い頃からダウンジャケット代わり。着るだけでシルエットが逆三角形に見えるところがとくにいいよね。ミリタリーのB-3やモードなムートンコートなど、いろいろ着てきたけど、やっぱりラグジュアリーな気分があるタイプが好き。革の質感にはこだわるけど、防寒性だとか機能性だとかを謳ったものより、多少ラフに羽織ってもムードがあるものを選びます。そういう意味で、サイレンスのムートンジャケットはハマったよね。B-3フライトジャケットから余計な装飾や機能を削ぎ落としたミニマルなところが気に入ってるんだ。革質はもちろん、デザインも洗練されてるし」。

そう、サイレンスは最近話題のレザーファクトリー。その理由は某ラグジュアリーブランドのレザーを一手に手掛けてきたトスカーナの専業ファクトリーだからです。長年培ってきた技術力は、品質に厳しいメゾンを満足させてきたものだけに、素材から作りまで繊細でラグジュアリーなうえに、洗練されたスタイリッシュなデザイン性も優れています。同じクオリティのムートンジャケットをラグジュアリーブランドで買ったら、価格は倍ぐらいになるのではないでしょうか。

「大人が着るなら、ミリタリーっぽいムートンより、上品なタイプのほうがいいよね。渋カジ世代としては着方にも一家言あるのですが、あの頃みたいにインディゴブルーのヴィンテージデニムを合わせるのだけは避けたいところ(笑)。今なら白か黒のデニムを九分丈で合わせて、ローファーを合わせてパリっぽく着るのが気分かな。スニーカーは絶対NGですよね。」

本来ラギッドなムートンには男っぽいスタイルが似合うのですが、いまの戸賀さんが選ぶムートンはモード系やクラシックメゾンのそれゆえ、合わせるアイテムがラギッドだと、どうにも無理やりでちぐはぐな印象になってしまうというわけです。ローファーの素足履きは戸賀さんのアイデンティティですが、昔ならブーツやスニーカーを合わせたのでしょう。やんちゃな昔ならいざしらず、そこもやはりありとあらゆるムートンを着てきた経験値と、リッチで余裕ある大人となった今ならではの選びが肝心ですね。

ムートンはブランド選びから慎重に。

タリアトーレ / ムートン Pコート
タリアトーレ / ムートン ダブルライダース

「若い頃はムートンなんて、ただの防寒着だと思っていたけど、存在感が強いアウターだけに、着る人のステイタスが表れやすいアウターだと思うんです。ラグジュアリーな素材を選別する目と、都会的なシルエットを吟味する目があるってことを、ムートンジャケットでアピールするわけ。だからこそブランド選びから慎重にしたいよね。」

そこでご紹介したのが人気ブランド、タリアトーレのムートンコレクションです。タリアトーレは軽快でラグジュアリーなジャケットブランドとして有名ですが、最近はとくにレザーに力を入れていて、今シーズンは初めてムートンが登場しました。こちらも有名メゾンのレザーを手掛けるファクトリー製で、ブランドロゴの刻印入りパーツを使うなど、細かいところまでこだわっています。

毛足の長いカールムートンのピーコートは、表面をスエード仕上げにした大人っぽい表情です。シルエットはゆったりめですが、スリーブが細身なのですっきりシャープなルックスになっています。同じくカールムートンのライダースはナッパ加工仕上げ。ともに余計な装飾を省いているので、軽量なうえに着こなしやすく、ラグジュアリーなムードも満点です。

「こういうアウターのときは、小物や時計もシックなものがいい。ラグジュアリーなスポーツ時計はあえてはずして、バッグも小さめのクラッチぐらいで身軽にまとめたいかな。」

ムートンのラグジュアリーなムードを最大限活かすなら、余計な小細工や小物に頼る必要はないんですね。合わせるアイテムはできるだけシンプルにして一点突破するのが基本です。そういえば、さきほど控室で「さすがにスポーツカーに乗るときは脱ぐけどね」と話していたのは、クルマの魅力を最大限に活かすため。服もクルマも、主役を引き立てくれる名脇役として、絶妙な選び方はブレないのです。

CREDIT

Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎

TAGS

関連特集記事

LOAD MORE

loading

最新記事

LOAD MORE

loading

franckmuller BOGLIOLI BERWICH
RakutenPay

*当サイトの税込価格表示は、掲載時の消費税率に応じた価格で記載しております。 お間違えになりませんようご注意ください。

arrow