2019.03.14
若い頃にはレザーブランドのハードなライダーズも着ていたという戸賀さんが、今選んだのはサイレンスのスエードライダーズ。メゾン系のライダーズも、モード系のライダーズも知り尽くした戸賀さんが、大人に似合うライダーズの選びを教えてくれました。
▲ サイレンス / スウェード ライダーズ ブルゾン
▲ フェデーリ / クルーネックニット (コットン)
大人と子供の服って、明らかに違いますよね。若い頃着ていた服が、大人になると似合わなくなるなんて事、よくあります。ライダーズなんて、その最たるものではないでしょうか。でも今日の戸賀さん、ライダーズを軽く羽織ったカジュアルなスタイル。シンプルですが大人っぽくて、しかもとても似合っていらっしゃいます。それって、どこのライダーズですか?
「サイレンスはイタリアのファクトリーブランドです。これはライダーズのデザインだけど、M-65タイプジャケットやG9型のブルゾンもコレクションにあります。じつは、このファクトリーは有名なブルゾン専門ファクトリーなんです。有名ブランドのOEMを手がけているので大人ブルゾンのサイズスペックやフィッティングが完璧。若い頃、大事に着ていたライダーズって、大人になると体型が変わってくるので仕方ないけど、服だけ浮いちゃったり、服に負けちゃったりするようになりがちじゃないですか。G9タイプとかM-65とか、大人世代だからこそ似合うアウターがあるので、素直に乗り換えたほうが正解だと思います。」
若い人の身体と大人の身体は違うので、無理して若向けのブランドやアイテムを着る必要ないですよね。その点でも大人のサイズスペックをよく分かってるブランドなら、肩が小さすぎたり、ウェストが細すぎたりしないんですね。それに、いまから新品カーフのライダーズを購入しても、身体に馴染むまでには相当時間が掛かりそうで。かと言って昔のライダーズは、味は出てきたけど流石に今着るのはちょっと……。
「その点、サイレンスはライダーズ風のデザインをシンプルにして、ブルゾン感覚で着こなせるようにアレンジされています。しかもゴート(山羊)スエードは、ラムやピッグより程よくハードで男っぽいんです。ディテールもワイルド過ぎないので、グレーパンツや白パンなど、大人のきれいめパンツに似合います。さすがにデニムでライダーズっていうのはどうかと思うけど、サイレンスならいけるかもしれませんね。」
戸賀さんもショットやバンソンといった渋カジ世代のライダーズはご存知かと思いますが、今ではさすがにハードすぎますよね。それじゃラグジュアリーブランドのライダーズは、どうでしょう?
「じつは何気にラグジュアリーメゾンもモード系デザイナーズのライダーズも持ってるんです。最後に買ったのは、50万円ぐらいしたかな? さすがに捨てられないのでクロゼットにあります。試着したとき感動して買ったりするんだけど、実際に自宅で着てみると、なんか違うかなって着替えて出てきちゃう(笑)」
そうなると大人のカジュアルアウターに必要な条件ってなんだと思われますか? やっぱりサイズスペックとか、定番デザインとか?
「やっぱり大人ブランドから選ぶのが正解だと思います。イタリアのファクトリーブランドなんかが、その代表ですね。僕らも若い頃からずっと着ていられるブランドはないと思わないといけないですね。10年前とは身体も肌も違うので、似合う色柄、素材やサイズは確実に変わっていますから。でもこのサイレンスは、大人に似合うモードすぎないライダーズ。今から着て10年後も着られそうですね。若い頃に着ていたライダーズとは明らかに別物ですし。大人ライダーズはリアルにバイクに乗るためのものじゃなく、ラグジュアリースポーツカーのシートに似合うものでいいんです。」
確かにこのライダーズ、大型バイクよりも、ラグジュアリーなスポーツカーのシートが似合いそうです。若い頃着ていたライダーズを引っ張り出してくるよりも、今の自分に似合う服を見つけるほうが、ずっと前向きで健康的な気がします。