
2025.04.07
ようやく冬物が仕舞える季節。軽快な春のスタイリングといきたいところですが、ふと鏡を見てみると、案外地味な服ばかりということはないでしょうか。衣替えの時期はどうしてもワードローブが間に合わないもの。春モノの新しい服を揃える時季に、何をもって服を選ぶべきかの指針となれば幸いです。
・タリアトーレ / ストライプ リネン オーバーシャツ 110,000円
・ロレンツォーニ / ショートスリーブ クルーネックT 31,900円
・イグレティーク / モヘア混ウール リラックスパンツ 39,600円
・シーキューピー / スウェード レースアップスニーカー GENOA 55,000円
・ブラン / コンビフレーム サングラス BM011 39,600円
オンもオフも、自分なりの個性をアピールできるのが服選び。ところがクロゼットに並ぶ冬アウターのインに活用していたアイテムは無地のベーシックカラーばかり、というのが今の時季ではないでしょうか。もちろん無地でイケナイことはないのですが、上手に自己アピールできるオトコは、巧みに色や柄を使いこなしているものです。
なかでも柄は重要です。賢くおしゃれするなら派手なグラフィック柄である必要はなく、シンプルなストライプが絶好。たとえばこんな淡色&太幅のストライプなら、瀟洒な印象を表現できるのではないでしょうか。
リネンのオーバーシャツは、タリアトーレの今季の新作。春らしい軽快な素材感と開襟の大胆なデザインとが相まって、トップス1枚でも十分アピールできるアイテムです。両胸ポケットのスクエア裾。前ボタンは閉じても、開いて羽織るような着方も様になります。インにはクルーネックの白Tを差して、清潔感溢れるコーディネートにグレスラのシンプルな合わせ方ならオンタイムにも相応しいでしょう。
テーラード型のジャケットよりも大胆なストライプが利くのは、オーバーシャツ型のトップスならでは。色柄とデザインと、素材の取り合わせに優れた、春のイチ推しトップスです。
・マリア・サンタンジェロ / マルチストライプ ワンピースカラー シャツ 44,000円
・セッテフィーリカシミア / リネン&コットン メッシュ編み クルーネックニット 88,000円
・ベルウィッチ / BR別注 scotch RELAX_GOLD ポリエステル&ウール パンツ(ネイビー) 38,500円
・ジャコメッティ / ユタカーフ ローファー 129,800円
シャツイチのスタイリングにリネン混ニットを肩掛けした、オーセンティックな着こなし。シャツの縞色に合わせて、ニットもダークブルーを合わせました。ここでのストライプは太幅と細幅が規則的に並ぶマルチストライプ。涼しげなコットンシャンブレーに、淡色のブルーの縞色が涼しげな印象を醸します。
ストライプの色柄はもちろんですが、サイズ感や襟型も選びの決め手となるものです。クラシックなシャツだと裾が長すぎたり、ネクタイをしないことで襟元が開きすぎたりしてしまいますので。おすすめはタイドアップもノータイもキマるワンピースカラー。マリア・サンタンジェロのようなナポリのカミチェリアが得意とする襟型です。
台襟がないうえに、前立てから襟まで一枚で繋がっているため、ボタンを外したときの襟開きが美しく、シャープな印象に着こなせます。程よくリラックスしていながら、ときにはタイドアップしてオンタイムにも使えるのがワンピースカラーの着回し力。タックアウトしたときの絶妙な着丈は、昨年よりも約2センチ短く設定されている点も魅力です。
・ティトアレグレット / ストライプ 6つボタン スーツ 213,400円
・フェデリ / シルク&カシミア クルーネックニット 110,000円
・ブラン / チタンフレーム サングラス B0024 40,700円
スーツでストライプ柄は一般的ではありますが、カラードストライプはどうでしょうか。ビジネススーツとして好まれるのは白やブルーなどベーシックカラーのピンストライプ柄。縞色があると派手さを感じてしまうのかもしれませんが、それは構築的なクラシックスーツの場合。いまどきなスーツの場合は、むしろカラードストライプのほうがソフトな印象で個性をアピールできます。
ナポリ仕立てが冴えるティト アレグレットの6Bダブルは白と金茶のダブルストライプ。ワイドラペルの雄々しさに、ゆったりと落ちる前身のドレープにハーフ毛芯のやわらかな着心地が現れます。前ボタンは留めずに、羽織る着方が似合うのは、いかにも現代的なスーツの着こなし。インナーに縞色を拾ったニットを合わせるのは小粋なスーツコーディネートとなるはずです。
タイドアップするなら、縞色を拾った柄タイが似合いそう。金茶の同系色としてブラウンやオレンジを取り入れると良いでしょう。またポケットチーフの色遊びもいろいろと楽しめそうなところも、洒落者のスーツをとして一目置かれるはず。
オーバーシャツ、カジュアルシャツ、スーツとストライプを選ぶメリットはさまざまですが、黒や無地のアウターで過ごした冬が終わったのですから、できるオトコとしては仕事もプライベートも服で存分に楽しむ。そして、春は出会いの季節ということで、自分を印象付けるために柄物(ストライプ)をほどよく取り入れることが、#こなし上手、なプレゼンにもなるのではないでしょうか。
Direction & Styling : 四方章敬 / Photo : 川田有二(Riverta Inc) / Hair : Takuya Baba(Sept) / Text : 池田保行 (ゼロヨン) / Design : 中野慎一郎(launch inc) / Model : KAJUS(CINQ DEUX UN) / Management : 佐々木利浩(B.R.ONLINE) / Produce : 大和一彦 (B.R.ONLINE)