
2025.03.27
「男の服のなかでもっとも重要なアイテムはパンツ」とは、戸賀さんがずっと言い続けていることです。男の服には季節感が大切ですから、季節が春になれば「らしさ」を感じられるコットンパンツを。加えて「脚長」「美脚」「スリムテーパード」は、大人の嗜み。トレンドに流されることのない、大人のシルエットを目指しましょう。
▲ セッテフィーリカシミア / BR別注 リネン&コットン ニット ¥52,800
▲ ジーティーアー / ストレッチ ライトコットンギャバ パンツ¥42,900
クローゼットを春服に入れ替える際、忘れてはいけないのがパンツの入れ替え。グレスラひとつとっても冬素材と春素材とで生地の目付けや生地感が大きく変わりますが、ことコットンパンツならなおのこと、素材や色味にこだわって揃えたいものです。
「毎年、春になるとコットンパンツを入れ替えるんだけど、その際に素材や色をどうするかなっていうのは考えるよね。白と黒のモノトーンでいくならデニムがいいかな、とか、色を着たいなと思えば、スラックスタイプのコットンパンツがいいかな、とか。今年の春はまさに色を着たい季節だからライトピンクのコットンパンツなんて、まさに今穿きたいところだよね。」
ジーティーアーのコットンパンツはストレッチ混のライトコットンギャバ。ウエストがハーフサイズほど伸縮する、ほどよいフィット感は、このブランドが特許取得した「ウエストコンフォートバンド」。ベルトレスでも穿けそうなほど、お腹まわりが快適です。白パン感覚でコーディネートできるぐらい淡い色味も程よいニュアンスカラー。今日の戸賀さんのように白ニットのトップスと合わせるだけで、ぐっと春らしさを際立たせてくれます。
「カラーパンツは色合わせが難しいと思っている人が多いと思うけど、男の服は2色か3色で着るのが常識。年がら年中白推しの戸賀としては、トップス白の日こそ、カラーパンツが狙い目だと思うんです。春になったら色を楽しむのは、イタリア流のファッションの楽しみ方だけど、服を全力で楽しむなら、ベーシックなカラーに囚われないほうがいいよね。」
▲ セッテフィーリカシミア / BR別注 リネン&コットン ニット ¥52,800
▲ インコテックス / ストレッチ コットンツイル パンツ ¥58,850
イタリア美脚パンツの雄として名高い、インコテックスのコットンパンツは、スリムテーパードならではの美脚シルエットが洗練されています。股上は浅めなうえノープリーツゆえに腰回りもすっきりとしていて、シャツなどトップスをタックインして着るスタイリングも仕上がります。
「やっぱりインコテックスはシルエットが秀逸。先ほどのジーティーアーより攻めてる印象だけど、決してパツパツにならない計算され尽くしたサイズスペックになってる。コットンツイルの滑らかさ、素材の肌触り、織りの伸縮性、どれをとっても一流。ニット一枚でカジュアルにも、ジャケットを羽織ってドレスにも合わせられるところも、さすがの一本だね。」
いま若い人の間ではワイドパンツが主流ですが、戸賀さんは大人のパンツは流行に左右されることなく、脚長・美脚にこだわったほうがいいと言います。流行りだからとか、トレンドだからなど、自分のスタイルをコロコロ変えるのは、ちょっと自分が無い感じがして、浮ついた大人っぽく思えてしまいますから。
「自分のこだわりとか、自分らしいスタイルを探してきた結果としてワイドパンツに落ち着いたのならいいと思うけど、立ち居振る舞いがスマートであることが服選びの第一であるべき都会の紳士としては、断然スタイルよく見えるスリムテーパード。パンツ上手はスタイリング上手と言ってもいいぐらいなだけに、春のワードローブはコットンパンツをメインに考えたいところだよね。」
左から
▲ インコテックス / ストレッチ コットンツイル パンツ ¥58,850 (ネイビー)
▲ ジーティーアー / ストレッチ ライトコットンギャバ パンツ¥42,900
( クリーム / ライトグレー )
▲ ピーティートリノ / ストレッチ ライトコットンギャバ パンツ ¥44,000
( ブラック / ホワイト )
春のコットンパンツ選び、ブレない大人スタイルにはスリムテーパードパンツが不可欠。というわけでBRにはイタリアを代表する3つのスリムテーパードなパンツブランドが勢揃いしています。こうして並べてみると、それぞれに美脚・脚長効果のために、さまざまな研究がなされていて、型紙には多様なテクニックが用いられていることがよくわかると思います。
いつも愛用されているブランドの春モノを選ばれるのもよいとは思いますが、気分を変えてブランドを変えてみると新しい発見があるはずです。股上やヒップのカーブ、膝位置から裾幅にかけてのラインなど、ブランドごとの黄金律があるので、この機会にお試しいただければと思います。
Photo : 鈴木泰之 / Text : 池田保行 (ゼロヨン) / Design : 中野慎一郎 / Produce : 大和一彦