
2025.01.02
新年、明けましておめでとうございます。今年も「トガオシ。」は、顧問を務める戸賀さんがいま気になるモノをご紹介していきます。2025年、最初のご紹介は戸賀さんが愛して止まないデ・ペトリロから、とびきり上等なキャバルリーツイルのスーツをピックアップ。「戸賀さんといえばネイビースーツ」とまで言われた時代から、いまに至る心境と新年への抱負を語ってもらいました。
▲ デ・ペトリロ / キャバルリーツイル ウール スーツ¥250,800
▲ フェデリ / タートルネック ニット(SILK & CASHMERE) ¥116,600
新年最初のトガオシ。は、読者の皆様への挨拶の意味も込めてスーツから始めさせていただきました。戸賀さんが愛用するデ・ペトリロは、ナポリのファクトリーとして手縫いの繊細な縫製技術をマシンで再現できる稀有なブランド。そのパターンとシルエットは、クラシックでありながら、モダンを解するラグジュアリーなスタイルで、戸賀さんのクローゼットを席巻しています。
「世の中の服の潮流が変わっていくなかで、変わるべきものと、変わらないほうがよいものがあると思うんです。今年1回目だからこそ、自分の考える今のスーツを選んだら、キャバルリーツイルのペトリロになりました。この生地だからこそ表現できる世界観と、デ・ペトリロだからこそ描ける男のスタイルが見事に相まって、今の気分にぴったりなんじゃないかな。」
騎兵隊(Cavalry)に由来するキャバルリーツイルは、伝統的な綾織のウール生地でしっかりと密に織られた男クサくも上質を感じさせる素材です。目付け330gと一見、重厚ですが、これをデ・ペトリロが織りなすナポリ仕立てのエレガンスに乗せることで、優美で端正かつ耐久性に優れる一着に仕上がりました。
「パンツもワンプリーツで流行りのストレッチ素材のような伸縮性はないけれど、美しいドレープを描くほどしなやかで、硬さをまったく感じさせない。キャバルリーツイルであることを忘れてしまいそうなぐらい軽快なのは、現代的に進化した製織技術とこのブランドらしいセンスの賜物だね。タイドアップも似合いそうだけれど、タートルニットで着るスーチングのほうが、今どきな新しいドレスコードっていう感じがするんじゃないかな。」
ネクタイの有無よりもスーツの優美なシルエットだけで、エレガンスが保てるのもデ・ペトリロならでは。落ち着きある「グレージュ」という大人色も絶妙で、黒のシルクカシミアのタートルニットと合わせればよりモダンな印象です。形式にとらわれない時代の価値観と現代的なスーツのデザインなら、ノーネクタイでも着る人をドレスアップして見せてくれるのです。
▲ デ・ペトリロ / ストライプ ライトフランネル スーツ ¥286,000
▲ デ・ペトリロ / ヘリンボーン ウール&カシミア スーツ ¥316,800
先ほどのキャバルリーツイルはシングルでしたが、デ・ペトリロのスーツにはダブルもラインナップされています。重厚な6ボタンではなく、軽快な4ボタンという点にもご注目ください。こちらも戸賀さんのお眼鏡に叶うスーツとして、ご紹介させていただきます。
「若い人ほどダブルの新しさ、新鮮さを感じる時代。昔の呪縛にとらわれているオトナたちはアップデートして、もっと堂々とダブルを着た方がいい。そこで選ぶべきは、やっぱり素材。フランネルやカシミア混なら、仕事着感が薄まるからより服を楽しんでいる感じがするし、色も定番のネイビー、チャコールより、クローゼットにない色味を選んだほうが新しい自分のスタイルを発見できるよね、きっと。」
右のライトベージュはヘリンボーン織りカシミア混ウール。滑らかさとコシの強さを併せ持つ素材を、ハーフキャンバスで軽く仕立てました。パッチポケット仕様のカジュアルなデザインで軽快なスタイルが期待できます。
左は目付け270gのライトフランネル。こちらも同様のハーフキャンバスですので、見た目よりずっと軽い着心地。ともにモデルは、ややワイドでほんのり丸みあるグラマラスなラペルをもつ「SOMMA J」ですが、右はパッチポケット、左はフラップポケットというように、素材の雰囲気に合わせてディテールを変更しています。
「ラグジュアリーでカジュアル、それでいて主張しすぎない品を備えた新しいスーツの潮流といえるよね。こういう新しい服と出会うことは、新しい自分に出会うことだと思うし、アップデート。つまり進化だよね。今年もトガオシ。と一緒に、さらに進化していきましょう!」