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BOGLIOLI Recommend Style / 2022AW Vol.1Kジャケットから始めるボリオリの未来

2022.10.06

いまでは当たり前のジャケット仕様を、メンズウェアの基幹軸としたのは、2000年代に入ってすぐのボリオリによる功績。その後、ボリオリに影響を受けフォロワーとして成功を納めたブランドも存在しましたが、本家本元のボリオリが、今あらためて注目されています。その理由を探究しましょう。


クラシックの世界で初めて
カシミヤに製品染めを掛けたボリオリ

ボリオリ / カシミヤ K-JACKET(ベージュ) 198,000円
ビブリオテカ / カシミヤ モックネックニット 72,600円
ベルウィッチ / フランネル サイドアジャスターパンツ(SCOTCH) 35,200円

いまや主流のジャケットは、芯地を使わずやわらかな着心地のアンコンストラクション。20年ほど前までは、分厚いパットや硬い毛芯を使う構築的な仕立て方が主流だったのですが、この転換のきっかけを作ったブランドこそがボリオリです。90年代に流行したヴィンテージデニムのように、洗いのかかった味出し加工をジャケットに採用することで、新品でも着込んだかのような風合いを楽しめる「コート」というモデルを作り出したのは1999年のことでした。

以来、数々の名作ジャケットをリリースしてきましたが、ここ数年は新興勢力の台頭などもあり、特に日本では少し影が薄かったかもしれません。しかし今季からボリオリは、最も勢いがあった時代を標榜しリスタートをきっています。ジャケットというアイテム自体を進化させた傑作と呼べる名作をリファインしたコレクションを打ち出し、この秋冬シーズンからすでに有名百貨店や大手セレクトショップでの取り扱いを拡大しているとのこと。

代表的なモデルとなる「Kジャケット」。こちらはカシミヤ素材に製品染め加工を施し、見た目はもちろん着心地までもくったりとやわらかです。着こなしはタイドアップするより軽く羽織るほうが雰囲気を出せるので、スタイルは自ずとリラックス&ラグジュアリーなムードに。見た目はあくまでエレガントで、着ている本人はじつにコンフォート。堅苦しくないカジュアルなジャケットスタイルを楽しむうえで、デザインよりも色柄より、この製品染めの具合いこそが最高のエレメントとなってくれるでしょう。

超高級素材をあの名門ファブリックメーカーとコラボ

ボリオリ / 14ミクロンウール K-JACKET 198,000円
ビブリオテカ / クルーネックニット 69,300円
ベルウィッチ / ライトフランネル サイドアジャスターパンツ (SCOTCH) 31,900円
ペリーコサニー / スリッポンタイプ スニーカー (GIOIA) 35,200円

こちらのKジャケットは、カシミヤ並みの超高級ウールが用いられています。肩が実にフィットしているので、まるでニットのように馴染んでいることが伝わると…。着ていてもジャケットであることを忘れてしまうほど軽快なので、ニットかカーディガンを着ているかのようでもあり、リラックスしたスタイリングが大人の余裕を醸してくれます。あらためてKジャケットの実力が伝わってくるのでは。

ちなみに“カシミヤ並みの超高級ウール”とは、ボリオリがゼニアに依頼したエクスクルーシヴ素材。世界屈指の高級素材を扱うゼニアが、14ミクロンというカシミヤ並みの極細羊毛を用いたファブリックを、特別に織り上げたスペシャルなコラボといっていいでしょう。さらにそこへKジャケットならではの製品染め加工を施していますので、トーンもタッチも他では見られない表面感です。2着目、3着目のグレージャケットであっても、クロゼットで手持ちのグレーとカブることはないはずです。

テーラードに囚われない
ボリオリのユーティリティウェア

・ボリオリ / カシミヤ ミリタリージャケット 289,300円
ビブリオテカ / タートルネックニット 72,600円
ベルウィッチ / ブラックウォッチ 2プリーツパンツ (ARDBEG) 37,400円

Kジャケットはテーラード型ジャケットをベースにしたものでしたが、こちらはフラップ付きの4ポケットと、肩にエポーレットも備えたミリタリージャケット。カジュアルなデザインですが、その実、素材にカシミヤを用いた贅沢なものとなっています。一見、そうとはわからないのに、じつはラグジュアリーというところで、かなりの上級アイテムと言えそうです。

ポケットや襟端に浮き上がるアタリは製品染め加工ならでは。まるで着込まれたヴィンテージ服のような味わいを感じさせつつ、Kジャケットにも通じるボリオリのDNAを継承していました。布帛のミリジャケと違い、カシミヤならではの空気を含んだ贅沢な軽さをぜひ味わってほしいところ。ミリタリーとラグジュアリーという相反する組み合わせも新しい価値観を生み出しているのではないでしょうか。

カシミヤ&ミリタリーは
贅沢に遊ぶボリオリの真髄

フライフロントの一枚仕立てゆえ、着方はあくまで羽織るスタイルが似合います。フィッティングにゆとりがあるので、インにはミドルゲージのニットを着ることもOKです。今回は質の良いハイゲージタートルニットを合わせて、ラグジュアリーカジュアルな印象ですが、リュクスなアイテムとのコーディネートを狙う方が、ミリタリーのエッセンスがスパイスとなり、より男らしく着こなせるのではないでしょうか。ちなみにポケットはマチ付きのベローズポケットを採用していますが、モノを入れるとシルエットが崩れるのでご注意ください。

新生ボリオリは、これまでのラグジュアリーカジュアルというスタンスはそのままに、ジャケットにもデザインや素材の種類を多彩に展開します。そしてどのバリエーションにも浮かび上がるのは、クラシックの新時代を切り開いたというボリオリの矜持でした。ラグジュアリーとヴィンテージ、その双方を高次元で昇華した、極上のコレクションは、いまあらためて期待値が高まっています。

CREDIT

Producer : 大和一彦 / Styling & Direction : 四方章敬 / Photographer : 酒井貴生 (aosora) / Hair&Make : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : Romaine Dixon (CINQ DEUX UN)

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