
2018.11.12
PAGE 3 / 3タイドアップもノータイも、これ一枚でOK!?
「じつはこのシャツ、タイドアップはもちろん、ノータイでもサマになるんです。その秘密はボタン間隔が普通のシャツより狭めに設定されているから。ノータイで衿元のボタンを2つ開けると、普通のシャツのちょうど1.5倍ぐらい開くんです。品がありながら、ほどよく大人の男の色気もだせるし、ネックレスのヘッドがチラ見えするのも、よく計算しているなと思います。ただボタンを開けただけでは、なかなかこうはいかないですから。」
なるほどノータイがサマになるシャツだったんですね。ビジネスで着ても、これぐらいなら輩っぽくないし、むしろ洒落て見えます。このボタン位置の設定は、ナポリのシャツ屋ならではの「間隔」というか「感覚」なのでしょう。
「昔はシャツのボタンを3つも4つも開けて、エロっぽく着てたこともあるけれど、大人になると、ほどよく抑えていくべきだと思うんです。それに普段、タイをし慣れてくると、ノータイのジャケットスタイルがちょっと心許ないというか、モノ足りなく思うことも。ほどよく衿元が開くシャツを探している人には、ぜひ一度着てもらいたいですね。」
ありとあらゆるシャツを着てきた戸賀さんがご執心のマリア・サンタンジェロは、昔から知る人ぞ知るシャツブランドでしたが、ここ数年はカジュアルシャツで名を馳せてきました。いまあらためて「ノータイでもサマになるドレスシャツ」として再注目したいところ。取材をひと通り終えたところで、何気なく戸賀さんが口にした言葉が印象的でした。
「ひとつ困ったことが合って、タイドアップもノータイもこれ一枚で済んじゃうとなると、このシャツしか着られなくなっちゃうんじゃないかな、と。それぐらい中毒性のあるシャツなんですよ。怖いんだよなぁ。」