
2020.03.12
スーツでもジャケットでもインナーにニットやカットソーを着るのが当たり前となった昨今ですが、戸賀敬城から飛び出した言葉は「ドレスシャツを着るときはタイドアップがマスト」。この言葉の真相に迫ります。
▲ マリア・サンタンジェロ / シャツ
▲ デ・ペトリロ / ナチュラルストレッチ 3B ジャケット (ロロ・ピアーナ ファブリック)
▲ ピーティートリノ / 1プリーツ ストレッチ トロピカル パンツ (スペシャル リクエスト)
▲ フランコバッシ / タイ
▲ カルロ リーバ / コットン ハンドロールチーフ
いくらビジネススタイルのカジュアル化が進み、ノータイビズが浸透してきているとはいえ、正装すべきときは、きっちりタイドアップするのが戸賀さんの流儀。この日はジャケパン姿ですが、きっちりネクタイを締めてポケットチーフも忘れません。普段カジュアルな方ほど、キメるときにビシッとキメると、そのギャップもあって魅力的だったりするものです。
「ジャケットのクルーネックのニットを着ることも少なくないけど、リゾート風のワンピースカラーのときは別として、基本的に僕は襟付きのシャツを着るときはネクタイをしたいと思っています。むしろネクタイをするかしないかで、ジャケットのインを決める。ノータイで行くならクルーネックを敢えて着るぐらいの心構えがないとね。」
テーラードジャケットにドレスシャツを着て、ノータイで衿元を開いているのはラフな印象で、ヨーロッパだと仕事終わりにひと息付いているときか、相当に気を抜いた人のスタイルと認識されています。
「僕の周りの人に聞いても、テーラードジャケットには襟付きのシャツを着てネクタイしたほうが断然かっこいいと思ってる人が多い。ネクタイを外してシャツのボタンを開けるだけでは、襟元がなんか物足りないし落ち着かない。ボタンを3つも4つも外してネックスを強調するのは今っぽく、スカーフに頼るのはもう少し年がいってからでいいと思うんだ。」
そう話す戸賀さんが、「じつは最近ネクタイをするのは、着たいシャツがあるからなんだ」とこそり教えてくれました。今日の戸賀さんが着ているシャツがまさにそれなのですが、これ、かなり凄いです。詳細は下欄をご覧ください!
マリア・サンタンジェロの2+2。じつはこのシャツ、コットン100%のナチュラルストレッチなのですが、びっくりするほど伸縮率が高いのです。鍛え上げた戸賀さんの胸板を包みこんで、まるでカットソーを着ているかのように快適なのだそう。
「薄着になったとき気になる部分を鍛えていたら、身体に合うシャツを見つけることが難しくなってしまって。オーダーで対応することはできるけど、このシャツはまったく突っ張り感がなくて意外なぐらいビヨンビヨンで本当に快適。ストレッチ素材は入ってないの? と疑ったぐらい。余計な余りがないので、Vゾーンもすっきりきれいだし、ジャケットを脱いだ時もスマートなんだ。スリムフィットはお腹がでてきたオヤジの身体も逆三角形に見せてくれるしね。」
そういう戸賀さんのお腹はしっかりと鍛えて凹んでますが、これなら誰が着てもスマートなシャツいちスタイルが仕上がりそうですね。
先ほど戸賀さんが話されていたとおり、ボディシルエットはスーパースリム。襟型は日本人の顔とのバランスを考慮したワイドカラーの「マルコ」です。素材はイタリアを代表するシャツ生地メーカー、アルビニ社のコットン100%を糸の段階から伸縮性をもたせることで、まるでストレッチ混生地のように伸びるんです。
「ストレットを混紡したシャツも持っているけど、化繊混は素材感が硬かったり、通気性がイマイチで蒸し暑かったり、それと汚れや加齢臭が取れにくいとか、なにかと不都合があるものです。でもコイツはコットン100%だからタッチも上質ですごく快適だし、見た目の高級感もある。もうこれからシャツは全部、これでいいんじゃないかな?」
Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎