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トガオシ。Vol.6つねに挑戦するオトコが ホワイトにカーキを差した理由

2018.04.09


できる&かせぐオトコは、余裕を表す白を着る。

・BONOTTO ニットジャケット / nano・universe
・リネンワイドカラーシャツ / AVINO Laboratorio Napoletano

オンはもちろん、オフのときも、品の良いジャケットスタイルが戸賀さんの定番ですが、インはTシャツよりドレスシャツというのが戸賀流たるトコロ。この日はナノ・ユニバースのニットジャケット&パンツを白でまとめて、カーキのリネンシャツを一点効かせるコーディネートでした。なかなか伊達者なスタイルですが、戸賀さん今日はなぜこのスタイルを選ばれたのでしょう?

「この連載でもたびたびお伝えしていますが、白を着るっていうのは、ここ最近の僕のテーマ。年齢を重ねた男ほど、白を着るべきだと思っているんです。白という色は汚れたり、くすんだりすると、すぐにレベルが下がりますよね。だからこそ、いつでも新品の白を着ていたいと思うし、つねに新品の白を着ることで男の余裕が表れると思うんです」

なるほど、さすがはいまもワンシーズンでクロゼットが入れ替わるほどの服を買うという、できる&かせぐオトコならではの言葉。これまで数々のメンズ誌を手がけてきましたが、単に服を紹介するだけでなく、実際に自分でも買って着てきた実績があるだけに、トガオシには説得力があるんです。

「ネイビーやグレーといった男の基本色にジャケットやパンツ、ニットなんかで白を一点取り入れるだけで、がらりと印象は変わります。僕も個人的にはベーシックカラーを着ることが多いですが、白を取り入れるだけで印象も変わるし気分も上がるような気がします」

今日は戸賀さんがプロデュースするナノ・ユニバースのニットジャケットとパンツ、ベルトもそう。イタリア・ボニト社の素材を使った軽量なニットジャケットは、シワを気にすることなく、通気性も抜群な夏仕様。パンツは撥水・防汚効果で汚れにくいので、いつまでもピュアな白をキープできるという自信作だそうです。

「上下とも白っていうのは大胆かもしれませんが、意外と大人ほどセットアップ感覚で着やすいことに気が付きます。とくいコットンニットなら素材感もカジュアルですし、気負いは不要です。ホワイトのセットアップに抵抗があるという人でも、ジャケットだけでも持っていれば幅は広がります。ガンガン着て、汚れたら買い換えるぐらいの余裕をもって着るのがいいのではないでしょうか」


一点で効かせたのはカーキ色のナポリシャツ

白の上下には、シャツにカーキ色を利かせてコーディネート。戸賀さんならネイビーのシャンブレーシャツとか着そうなところ、これは意外に思えるのですが?

「じつはオリーブグリーン系のカーキって、大人にはちょっとむずかしい色かなって思っていたんです。とくにアウターやボトムズで着ると、若い人ならミリタリーっぽくこなせていいと思うのですが。大人になるとM-65タイプジャケットでさえ、ネイビーにしておけばよかったなと思うこともしばしば。僕自身もここ数年、カーキは鬼門かなと思ってきたんですが、去年6月のピッティ・ウォモでは、カーキを着ている人がすごく多くて気になってたんです。それでいろいろ試行錯誤していたら、シャツで取り入れるならそれほど難しくないことに気がつきました。デニムとあわせると、ちょっと重たく感じますが、白と合わせるとカーキのもつ土クサさが緩和されて男っぽさだけが引き立つんです」

シャツはB.R.ONLINEではお馴染み、ナポリの『アヴィーノ』。リネン素材で涼しそうな生地感は、サマーニットのジャケットとも相性が良好です。

「ナポリシャツは昔からいろいろなブランドを愛用しています。さすがTシャツ&カットソーよりシャツを愛するナポリ人らしく、襟周りの表情が上品なうえに、一枚でもシルエットがきれいにフィットします。アヴィーノを知ったのはここ最近ですが、ナポリシャツの上手さと魅力を再確認しています」


大人の男のコーディネート。仕上げは時計にあり

じつは今日のコーディネート、最後まで悩んだというのが時計だそう。最初はカーキのベルト、カーキのフェイスなど、シャツ色に合わせることを想定していたそうですが、どうにも納得が行かなかったのだとか。

「カーキの2点使いは、ちょっと重たくなっちゃうのでやめておいたほうがいいかもしれません。カーキ・オン・カーキは、大人は避けるが無難です。そのかわり白のジャケットには、白の時計が似合うので、その方程式をここでも取り入れてみたところ上手くいきました。カーキは1点で使うという結論も、こうやって導くことができたんです」

戸賀さんの腕には「エドックス クロノオフショワ1」。ホワイトラバーベルトにホワイトセラミックのベゼルを組み合わせ、メタルケースがサイドから覗く異素材のコンビネーション。大型のリューズ&プッシュボタンを備え、回転ベゼルにはあえてインデックスを置かず、文字盤は1だけ目立たせるというデザインが個性を放っています。

「シャツのカーキ以外、他のアイテムの色を軽くすることで、結果として白のアイテムも引き立つという差し色効果は大成功。いつも同じ色、同じ素材の服ばかり選んでしまうという方も、ときには気負わずもっと気軽に色合わせや素材選びで服を楽しんでみて良いのではないでしょうか。僕みたいに、新しい発見があるかもしれませんので」

いつまでの好奇心を失わないオトコ、これもまた戸賀さんの魅力なのかも知れません。



戸賀 敬城 さん

1967年、東京生まれ。編集者。ハースト メンズ メディア ブランド アンバサダー。その他、多くのメディアや、ファッション、車、時計、ビューティー用品など、様々な有名ブランドのディレクターやアンバサダーを兼任している。 学生時代からBegin編集部(世界文化社)でアルバイト、大学卒業後にそのまま配属となる。1994年Men’s Ex(世界文化社)の創刊スタッフ、2002年Men’s Ex編集長に。2005年時計Begin(世界文化社)編集長、及びメルセデスマガジン編集長兼任。2006年UOMO(集英社)エディトリアル・ディレクター就任。10代目MEN'S CLUB編集長。エスクァイアBBB日本創刊編集長。レクサスマガジン「ビヨンド」元編集長(ハースト婦人画報社)

>>「トガブロ。」


CREDIT
Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 /
Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎
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