
2019.02.28
サルトリア・ナポレターノの工房の多くは、少し離れたカサルヌォーボの町にあります。 「ガボ」はカザルヌオーヴォに生まれ育った職人が自社で立ち上げたブランドです。その魅力はナポリの真髄とも言えるものでした。
・ガボ / 三織混 チェック 3B ジャケット
・セッテフィーリカシミア / クルーネック ニット (リネン・コットン)
・ピーティーゼロウーノ / 2インプリーツ UKチノ パンツ
・フラテッリジャコメッティ / カーフスコッチグレインローファー
ナポリの有名サルトを支えるカザルヌオーヴォの職人たち。ガボはそんなサルトリア・カザルヌオーヴォーゼの工房を引き継いだジャンフランコ・アルトベッリとジュゼッペ・ニコーテラ、2人が起こしたシグニチャーブランドです。優雅に広がるワイドラペルや深くイセこまれたマニカカミーチャなど、いかにもナポリらしいコレクションは、買いやすい価格とやわらかな着心地を両立しています。昨年、日本に本格上陸を果たしたことで、今季は襟や肩の収まりがさらに良くなった新モデル「キアイア」を投入しました。
こちらがその「キアイア」のジャケットです。ガボらしさを残しながらすっきりとしたフォルムに生まれ変わったことで、タイドアップはもちろん、ニットやカットソーで着流しもしやすくなりました。このウール×シルク×リネンの三織混生地を使ったメランジ調の生地は、ジャンフランコとジュゼッペのおすすめ素材。ボルドーの色味をどう着ようか迷ったら、白、黒と合わせて色モノを1点と決めれば、案外着こなしやすいはずです。
・ガボ / ウール&シルク メッシュ 3B ジャケット
・セッテフィーリカシミア / クルーネック ニット メランジ (リネン・コットン)
・ピーティーゼロウーノ / 1プリーツ ストレッチ トロピカル パンツ (スペシャル リクエスト)
・フラテッリジャコメッティ / スエード モンクストラップ モカスリッポン
こちらのジャケットは、なんともリッチなライトベージュの淡い色調。同じくライトベージュのクルーネックニットと合わせたら、ボトムズはライトグレーのスラックスで全体をワントーンでまとめてみましょう。ベージュ&グレーという淡色のトーン・オン・トーンは、上品かつモダンな都会派カジュアルにぴったりで、ビビッドカラーが苦手な方にこそ、おすすめしたい合わせ方です。
ジャケットの素材はメッシュ調の織り生地です。スラブ糸を使っているのでざっくりとした清涼感が漂います。合わせたニットもリネン混のメランジ調で、まったく別ブランドなのに、まるで示し合わせたかのようなセットアップ感を醸しています。こういう組み合わせを発見したら、迷わずジャケット&ニットをセット買いをおすすめします。単品着用もできるので、絶対お買い得。あとから「あのとき、買っておけば…」という後悔しませんように。
メッシュ調の織り素材からは、スラブ糸のランダムな格子柄が浮き上がります。格子のようで格子でなく、ヘアラインのようでヘアラインでもないこの織り柄が、遠目に清涼感を醸してくれるポイントです。メランジ調のニットとの相性も良く、同じトーンなのに織りと編みとで、表面のニュアンスが異なるところが上級者っぽい合わせ方なんです。
・ガボ / ヘリンボーン ソラーロ 3B 2パッチポケット スーツ
・バグッタ / オルタネイト ストライプ レギュラーカラー シャツ (ゴールドボタン)
・フランコ バッシ / ペイズリー プリント タイ (シルク)
・フランコ バッシ / ペイズリー刺繍入り チーフ (リネン)
・フラテッリジャコメッティ / スエード モンクストラップ モカスリッポン
こちらはヘリンボーン織りコットンスーツ。鮮やかなブルーは光の加減で色調が変わるソラーロ生地で、ナポリの男たちが愛した夏の定番生地らしい色艶です。こんなソラーロをサラリと着こなせたら、仕事も遊びも一流の”できるオトコ”感、半端ないですよね。
このソラーロ生地、日本人にはちょっと着にくいと思われがちで、たしかに若い人には難しいのですが、大人の男性にはすんなりハマります。艶っぽい生地のほうが、大人の色気ってやつが滲み出てくるんです。
今回はカラーリングもお馴染みのアズーロ・エ・マローネ。ブルーと相性の良い茶色のストライプシャツと、こちらも茶色ベースのペイズリータイで、ナポリらしいコーデもソラーロならでは。ベルトも靴も茶色でまとめて色数を絞ったので、鮮やかなブルーのスーツが浮き上がり、攻略も楽勝です。スーツの艶を活かすために、足元は表革ではなくスエードで抑えているところもポイントです。
いまが旬のワンプリーツパンツですが、クラシックなファクトリーほどこのプリーツの入れ方が上手です。それというのも、ノープリーツパンツが流行る以前はパンツはプリーツ入りが普通だったから。昔ながらの手法を受け継いでいるガボだからこそ、このプリーツが美しく入るのです。そのうえハンドを多用する伝統的な技術を守り抜いているからこそ、ジャケットもパンツも縫製に適度な遊びがあり、縫い目が柔らかく着心地がふわりと軽いのです。ジャケットのヘムラインが、ふわりと風になびくところに“ナポリの粋”が感じられるのではないでしょうか。
Producer : 大和一彦 / Styling & Direction : 四方章敬 / Photographer : 野口貴司 (San・Drago) / Hair&Make : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : Dorde (Cinq Deux Un)