
2023.03.23
白は200色あるのだそうですが、トレンドカラーということもあってか、今季はさまざまなブランドが「白」アウターを展開中です。そのうえ白に限らず、リッチな都会のファッショニスタに愛されているオフホワイト、エクリュ、ライトベージュなど、同系色のアイテムも今季はとくに人気の様子。そんな白系アウターの新作を、着こなしと合わせてご紹介します。
・エンメティ / 《予約商品》スペシャルレザー ダブルライダース BR別注GABRIELE (NAPPA RYLAMATT) 214,500円
・フェデリ / ハイゲージ クルーネックニット 48,400円
・ベルウィッチ / BR別注SCOTCH ストレッチコットン 30,800円
・ジャコメッティ / スウェード モンクスリッポン 117,700円
実は以前からB.R.SHOPは「白」のアウターを多く揃えるセレクトショップ。+モードなスタイリングに白アウターが似合うのはもちろんですが、あえて日常的かつ大胆に白を取り入れるスタイリングは、優雅で着品溢れる大人の余裕が醸せるとあって、モダンでリッチな人たちから高く支持されるところ。ノーブル(高貴)でイノセント(無垢)な白を取り入れることで、ファッションへの意識とスタイルステージが確実に上がる点こそ、BRが「白推し」している理由でもあります。
今回、白をテーマにコーディネートを考えたとき、真っ先に思い浮かんだのはライダースでした。一般的にライダースの定番素材はブラックカーフですが、そこにあえての白レザーというのが都会的なセレクト。しかも昨今はライダースの価値観が大きく変わっている時代。これまでのバイカーやロッカーのアイコンから、ハイエンドなラグジュアリーアウターとして認知度が高まっているだけに、街中やオフィスなどでライダースを着る大人が「お洒落!」に見られているのです。
ここでのライダースはエンメティの「ガブリエル」。BRがゴールドメタルパーツやボディスペックを別注したモデルで、正式な名称も「GABRIELE_BR」と命名されています。ホワイトレザーは元々のエンメティになかった素材を、別注モデルのためにエンメティが用意してくれたもの。ほんのりアイボリーカラーで、しっとりと手に吸い付くような「ナッパリラマット」は、ラグジュアリーブランド御用達のタンナーから取り寄せました。
コーディネートは白ニットにベージュのコットンパンツ、ブラウンスエード靴という組み合わせ。白からアイボリー、ベージュ、ブラウンという優雅なグラデーションがバイカー由来の男クサいコーデをかき消して、春めく都会の大人のエレガンスを感じさせます。ライダース感を抑え、あくまでもブルゾン感覚で羽織ることで、街中はもちろん、ときにオフィスや高級レストラン、美術館やホテルのラウンジでも通用しそうなスタイリングとなっています。
「GABRIELE_BR」の「ナッパリラマット」は、高級メゾンも買い付けるスペインタンナー製ながら、市場にはあまり流通していない高級ラム革を鞣したもの。元々エンメティのインラインモデルには白の表革がなかったため、特別に用意されました。きめ細かな極上レザーは0.7ミリ厚。着込むほどに味わいが増して、自分だけの一着に経年変化が愉しめるものです。アイボリーのニュアンスカラーを載せたところに、BRらしくゴールドパーツを組み合わせることで、ライダースに優雅なエレガンスが表現できました。
・エンメティ / 《予約商品》スウェード シングルライダース BR別注MASSIMO 176,000円
・フェデリ / シルク&カシミア クルーネックニット 81,400円
・ベルウィッチ / SCOTCH ナチュラルストレッチウール 37,400円
・ジャコメッティ / スウェード モンクスリッポン 117,700円
BRでお馴染みの白スウェードを使用したシングルライダースは、エンメティの人気モデル「MASSIMO_BR」。もちろん語尾に「BR」の表記が付きます。カラーは先程のアイボリーより明度の高いホワイトカラー。よりノーブルなカラーは、ラグジュアリーな印象を昂らせるものです。
こちらはシングルライダースということでモードな気分が感じられます。フィッティングは一般的なライダースのようなタイトフィットではなく、身頃をサイズアップして余裕のある現代的なシルエットを描いています。そのためインナーにカシミアニットを挿したり、ボトムズにテーパードシルエットのドレスパンツが似合ったりもするんです。
今回、インナーはベージュのニットで同系色でまとめて、ボトムズにはトレンドのグリーンを取り入れてみました。白×グリーンという組合わせは、白が無彩色ゆえ、どんな色でも包括できることに加えて、まるで白シャツを合わせたかのような安定感があります。つまり白ライダースは、毎年のようにトレンドカラーが変わっても安心して組み合わせることができるということ。ならば白ライダースはモード的な「今を映し出す服」ではなく、定番として永く着ることができるサステナブルなアイテムともいえるのではないでしょうか。
左から
・エンメティ / 《予約商品》スウェード ダブルライダース BR別注GABRIELE 192,500円
・エンメティ / 《予約商品》スペシャルレザー シングルライダース BR別注MASSIMO(NAPPA RYLAMATT) 198,000円
アイボリーのナッパリラマット、ホワイトのスウェードともにシングルの「MASSIMO」、そしてダブルの「GABRIELE」がともに用意されています。カジュアルに気兼ねなく着られるアイボリーと、ノーブルなホワイトカラーは、好みに合わせて選ぶことができます。
・デ・ペトリロ / ウール&リネン ジャケット 168,300円
・セッテフィーリカシミア / 半袖クルーネックニット 46,200円
・ピーティートリノデニム / BR別注ブルーデニム (SWING) 48,400円
もう一点、白のテーラードジャケットをご紹介したいと思います。こちらはデ・ペトリロの白ジャケット。リネン×ウールの混紡で、清涼感がありながらもしっとりやさしい風合いが特長です。白のジャケットというと、クラシックでフォーマルなイメージになりそうですが、ヘリンボーン織りの素材使いが、白という色を上手にいなして程よいカジュアル味に変換してくれています。
それでも白ジャケはナルっぽくて気障ったらしいと思われる方なら、デニムと合わせて着るのはいかがでしょうか。白のドレスシャツを洗いざらしのデニムで着こなすように、上下のコントラストが非日常を日常へと変換しながら、巧みなバランス感覚でジャケットのドレスダウンとデニムのカジュアルアップを同時に実現してくれます。インナーはカラーニットを差し色使いして、足元はラフなキャンバススニーカーなら、より気軽さを増してくれます。
「白」と聞くと身構えたり、最初から自分のセレクトにないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、誰だって白シャツを着るし、白Tだって定番です。白ジャケ、白ライダースに抵抗を感じ必要はないし、もっと自由に白アウターを着ることで、むしろ差し色使いが楽しめます。色を着るために白を着る。そんな遊び方ができれば、お洒落も上級と胸を張れるのではないでしょうか。
Styling & Direction : 四方章敬 / Photographer : 渡辺修身 / Hair&Make : Takuya Baba (Sept) / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎 / Model : James Prosser (donna) / Producer : 大和一彦