
2023.02.09
カシミア糸に等級があることはよく知られていますが、仕上がったアイテムにもオーラが宿ります。真冬でもコートいらずのカシミアカーデは、真っ白な身頃に柄の入ったハンドニット。暖かさと共に、その色気のオーラも一等級です。
▲ フェデリ / カシミア ショールカラー ニットカーディガン
クルマから颯爽と降りてこられた戸賀さんは、ほっこり暖かそうなカシミアのカーディガン姿。白T、白デニムでまとめたスタイリングは、ウィンターホワイトの伝道師らしくラグジュアリーな印象が漂います。それにしてもジャケット感覚で羽織ったショールカラーカーディガンは、真っ白のカシミアをたっぷり使ったローゲージニット。かなり贅沢な一品です。
「たしかにお値段は、かなり贅沢(笑)。ハンドメイドだからね。フェデリはカシミアニットの名門だけど、ハンドのイメージはあまりないかも。それでも、こういうニットを手がけられることで、ニットブランドとしての深味を感じさせてくれるね。」
ハンドニットだからこそのローゲージだったのですね。とはいえカウチンのような荒々しさや、インバーアランのような素朴さではなく、しっかり洗練されているあたりは流石のイタリアニット。
「普通、この手のハンドニットって、柄が入ると野暮ったさが出たり、洋服マニアに好まれそうなものに仕上がりがちなんだけど、これはそれがまったくない。むしろ余裕たっぷりで都会的だし、オーラさえ感じさせるんだ。なんていうか、過剰なまでの色気さえ漂ってると思わない?ローゲージで風が吹き込みそうなのに、カシミアの細い繊維が目を塞いでくれるからコート不要の暖かさだし、今日みたいに白でまとめたら、夜遊びやディナーにも良さそうだね。もちろんトマトソースのメニューは避けるけどね(笑)」
たしかにウエストと袖部分に柄合わせがされているあたり、スーツやシャツも柄合わせにこだわるイタリアらしい仕事ぶりです。この柄、手作業で編まれているのですが特有の粗さがなく、むしろ機械編みのように正確なところに技術力の高さが伺えます。
「ニットのドレープに光沢が出ていることから、カシミアの質が高いことがよくわかるよね。この上からコートなんて着たらもったいないので、クルマで移動するドア・トゥ・ドアの大人用として着るよね。そのうえで目の肥えた人が見せるべき服じゃないかな。」
類は友を呼ぶように、ハイクオリティな服を着る人が集まる場所にこそ着ていきたいし、そういう人たちなら、この服の良さがわかってもらえるのでしょう。
「そう、まさに時計で言えばトゥールビヨンみたいなハイスペック。トゥーマッチかもしれないけど、それを評価する人たちには、ちゃんと通じる。トレンドも関係ないので、5年、10年とずっと着られるから、ある意味サスティナブルでもある。こういう服を“趣味がいい”っていうんだろうね。」