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トガオシ。Vol.22戸賀さんプロデュースのタートルで ドルチェヴィータスタイルを極める

2018.10.02



大人のドルチェヴィータスタイルは斯くあるべき

▲ナノ ライブラリー / タートルネック ニット
▲ナノ ライブラリー / 3Bジャケット
▲ナノ ライブラリー / ノープリーツ パンツ

タートルネックのことを、イタリア語で「ドルチェヴィータ(甘い生活)」と呼びますが、その語源をイタリア人に聞いても、誰も知りません。思い出されるのはフェデリコ・フェリーニ監督の同名映画です。主演のマルチェロ・マストロヤンニ演じるプレイボーイの新聞記者が、美人でお金持ちのお姉さん方とモニャモニャする物語ですが、この映画の中で彼がタートルネックを着ていたことからタートルネック=ドルチェヴィータと呼ばれるようになった、というのはまことしやかな噂話の域に過ぎず、映画の中でマストロヤンニは一度もタートルネックを着ていません。むしろ新聞記者ですから、タイドアップしたスーツスタイルという正統なビジネススタイルだったりします。

では、なぜ「ドルチェヴィータ」と呼ぶのかといえば、映画の舞台となっているローマは享楽的に生きる貴族階級の街。そこに登場する人々はネクタイを締めて毎日会社に行く必要がなく、日常をタートルネック姿で優雅に過ごしていそうな人たちばかり。そこで、貴族→タートルネック着てそう→映画『甘い生活』に出てきそう、という図式が、どうやら「ドルチェヴィータ」の由来はないかと推測されます。長いこと、この問題に取り組んできましたが、いまだ明確な解答は出ていないのです。

前置きが長くなりましたが日本のマストロヤンニこと(?)、戸賀敬城さんは新聞記者ではなく編集者ではありましたが「タートルネック着てそう」どころか、「タートルネックを愛用」していることを自他ともに認められています。しかもそのこだわりは一家言どころか二家も三家もお持ちです。

「一回着たらタートルが伸びてしまって、つぎに着たときユルくなっているのは絶対ダメ。首は敏感な部分なので、ニットの肌当たりの良さは絶対必要ですし、タートルの長さにもこだわりがあります。三つ折りや、折らずにぐしゅぐしゅさせたりもしませんし、インにシャツを着て衿先を出すイタリア人みたいな着方も僕はしません。ニットの最重要課題である伸びや毛玉も許せないので、品質にはとことんこだわるし、どんなに高品質といわれるニットでも数回着たら必ずヨレたりダレたりしてくるので、毎シーズン買い替えています」

老舗はもちろん、ラグジュアリーブランドのタートルニットも散々着まくってきた戸賀さんが、ここ数シーズン、リピート買いしているのが、ご自身がディレクターを務めるナノ・ユニバースのタートルニットです。撮影に合わせて届いたという白タートルにフランネルのネイビージャケット&グレスラという、マストロヤンニもきっと私服で着ていたであろうドルチェヴィータスタイル。シンプルなコーディネートがここまでキマっているのは、1アイテムごとにこだわりまくって選んでいるからなのですね。


黒タートルならドルチェヴィータもモダンな印象

▲ナノ ライブラリー / タートルネック ニット
▲ナノ ライブラリー / 3Bジャケット
▲ナノ ライブラリー / ノープリーツ パンツ

こちらは黒のタートルニットをグレーフランネルのスーツに組み合わせたドルチェヴィータスーチング。モノトーンでまとめれば、モダンな印象が高まります。微起毛のグレーフラノはニットとの相性が抜群なので、ジャケットでもスーツでも大人の秋のスタイルに最適ですが、簡単な組み合わせだけにを吟味したサイジングと高品質のアイテム選びが重要になることは言うまでもありません。ジャケットのインに着たタートルは「シャツと同じく胸元に余計なシワが入ってはならない」という戸賀さんのこだわりを映し出すピッタリフィット。スーツも細身でスタイリッシュですが、クラシックベースの大人が着られるシルエットですので、モード過ぎるいまどきのセットアップとの差は歴然です。ちなみにこのフランネルスーツ、ストレッチを混紡した伸縮性あるフランネルなので着心地はすこぶる快適です。セットアップするだけでなく冒頭のようにジャケットだけ単品使いもできますし、パンツの単品使いももちろん可能です。カラーバリエーションはベーシックなラインナップで、ネイビー、グレー、そしてベージュを揃えたナノ・ユニバースのオリジナルタートル。もちろん、戸賀さんの自信作です。


今季のタートル、そのブラッシュアップポイントは?

毎シーズン、タートルニットを買い揃えていらっしゃる戸賀さんだけに、選びの基準値は相当高いものがあります。ナノ・ユニバースの商品企画に参加するようになったメンズクラブ編集長時代から、毎シーズンのようにコレクションにラインナップし、ブラッシュアップを重ねてきました。今季は、かなりの自信作だそうです。

「シルエットに関しては、これまで作り上げてきたものでほぼ完成形に近いものになっていますが、今季はネックの長さにこだわりました。というのもこの部分が長いと小顔に見せる視覚効果があるんです。首というか顎のぎりぎりからタートルニットを着ることで、八頭身効果が期待できて、しかもあたたかいことは間違いなし。そのためには首にあたる部分がチクチクしないように素材にもとてもこだわりました」

こちらはスーパー160’sクラスウールを使った16ゲージニット。まるでカシミヤのようにしなやかでとろけるようなタッチを誇ります。しかも伸びてダラつかないよう編みも特殊で毛玉にもなりにくいものだそう。

「企画段階で素材には、とにかくこだわってほしいと伝えたところ、スタッフがとても頑張ってくれました。僕は室内でジャケットを脱いで仕事するとき、タートルの袖をまくっていることが多いのですが、ここも袖口のリブがダレて伸びてしまうのは許せないんです。今回のニットは、とくにそのあたりに注力しながら買いやすい価格にもこだわりました。僕も自信を持ってオススメできます。もちろん自分でも全色買い揃えました!」



戸賀 敬城 さん

1967年、東京生まれ。編集者。ハースト メンズ メディア ブランド アンバサダー。その他、多くのメディアや、ファッション、車、時計、ビューティー用品など、様々な有名ブランドのディレクターやアンバサダーを兼任している。 学生時代からBegin編集部(世界文化社)でアルバイト、大学卒業後にそのまま配属となる。1994年Men’s Ex(世界文化社)の創刊スタッフ、2002年Men’s Ex編集長に。2005年時計Begin(世界文化社)編集長、及びメルセデスマガジン編集長兼任。2006年UOMO(集英社)エディトリアル・ディレクター就任。10代目MEN'S CLUB編集長。エスクァイアBBB日本創刊編集長。レクサスマガジン「ビヨンド」元編集長(ハースト婦人画報社)

>>「トガブロ。」

 

CREDIT

Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 /
Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎

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