2019.07.25
最近はブルゾンにご執心な戸賀敬城が、久しぶりに納得いく表革のライダーズに出会いました。それは春夏シーズンにも購入したサイレンス。信条でもある「ホテルのラウンジに着て行ける」「ラグジュアリーなスポーツカーに似合う」以外にも、2つのポイントが刺さったようです。
▲ サイレンス / レザージャケット
▲ セッテフィーリ カシミア / クルーネックニット (シルクカシミア)
▲ PT01 / BRスペシャルリクエスト 1プリーツフランネルパンツ (ジェントルマンフィット)
いつも『トガオシ。』を御覧頂いている方にはご存じのとおり、ここ最近、ライダーズが気になっている戸賀さんに、またまたぶっ刺さったライダーズがありました。それが「サイレンス」。以前はスエードライダーズをご紹介しましたが、今回はなんと表革。“刺さり”のポイントは、その「モード感」だそう。
「このサイレンス、モード系ブランドのライダーズっぽいな、って思って選んでみたんです。本来、昔買ったライダーズは、さすがに主張が強すぎて着れないんだけど、こいつはその点控えめモダンな感じがいい。それに若い頃着ていたライダーズはカーフスキン(仔牛の革)やカウハイド(雌の成牛の革)、ステアハイド(雄の成牛の革)なんかの牛革なんだけど、こちらはゴートスキン(山羊)ってところがやわらかくて着やすくて、大人にはぴったりなんです。ピタピタにタイトすぎず、かといってユルくもないサイズ感が大人にちょうどいいのってところも、このブランドならでは。絶妙なバランス感覚だと思いませんか。」
サイレンスは有名ブランドのブルゾンをOEM生産してきたCR社のオリジナルブランド。それゆえ大人ボディにフィッティングが抜群なのはもちろん、トスカーナという地の利を生かして上質な革が使えるという点もポイントです。それにしても、これまで幾多のライダーズを渡り歩いてきた戸賀さんの眼鏡に叶うとは、これから人気が出ちゃいそうですね。
「ラグジュアリーホテルに着ていけるかどうかが、僕のレザーの選びの基準なので、その点スエード使いというのがひとつの答えだったんです。表革ならバイカーブランドの本気印レザーより、モード系のラグジュアリーレザー。サイレンスのライダーズは余裕で合格です。」
元来、表革のレザーも好きで、アメリカンやデザイン性が強いものが多く、次第に距離が空いてしまったという戸賀さん。久々に納得いく表革のライダーズに出会ったと、サイレンスの表革にぞっこん。極上にやわらかくて軽量なゴートレザーにも、一発でやられてしまったのだとか。
「表革って、質が良いと男らしさを3割増してくれるんです。コイツは手に吸い付くようなレザーのタッチが、パリの某高級メゾンの革に勝るとも劣らない、まるでレザーの“大トロ”なんです。一般的なライダーズに使われる牛と違って、山羊ならではの柔らかさは大人のライダーズにこそハマる。それにめちゃくちゃ軽いんです。レザーを着ているっていうことを忘れてしまうくらいにね。大人にとって、やわらかくて軽いは服選びの大事なキーワードになりますから。」
じつは戸賀さん、いわゆるレザーブランドの表革ライダーズは、随分とご無沙汰だそう。社会人になるとスポーツカーにレザーのブルゾンということはあっても、表革のライダーズは実に久しぶりということ。
「レーサーレプリカに乗っていた学生の頃、ライダーズを着ていたのが最後かも。何年か前にBMWのR1200Cっていう、クルーザータイプのバイクに乗っていた時は絶対ライダーズで乗らないことを自分に課してたし。いまのマクラーレンは内装が黒のアルカンターラなので、同じ黒でも表革ならコントラストが効いてバランスがいいかもしれない。」
やはり戸賀さんの服選びの基準は、ラグジュアリーなスポーツカーに似合うかどうか。その点でも合格点いただきました。
「この年で表革のライダーズを着ることになるなんて。思いもよらなかったけど、こうなると経年変化もさせてみたいですね。 あえてハードに着て、ひじが伸びたり、光沢が出てくるのを楽しんだり、どんなエイジングするのかみてみたくなりました。この年になると、レザーは10年選手じゃないとね。表革は何十年も敬遠してきたけど、サイレンスは即決でした。」
Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎