
2019.04.25
注目されるスーツ&スニーカーのラグカジスタイル。流行のハイテクスニーカーやダッドスニーカーは大人には少々痛いというか無理があるというか。そんなとき、戸賀敬城がラグカジに選んだスニーカーが、じつにいい感じにほどよく上品なのでした。
▲ C.QP / スリッポン スニーカー
▲ デ・ペトリロ / 3B スーツ
▲ フェデーリ / クルーネックニット
“できるオトコ”の「できる」とは、仕事はもちろんのこと、様々なライフスタイルをスマートにこなすオトコ。と、言う事は当然、TPOに合わせた「上手に着くずしができる」お洒落スタイルもお手の物。長年ファッション誌編集長を歴任してきた戸賀さんは、そのあたりのテクが上級です。スーツを着くずすスタイリングも、いくつかの段階でこなせるのが粋というもの。あるときはノータイでシャツのボタンを3つほど外してみたり、またあるときはクルーネックのニットで着流してみたり。今日は足元にスリッポンスニーカーで、より軽快なスタイリングです。
「ビジネスのときは、ローファーやタッセルタイプのレザースリッポンを履きますが、オフっぽくカジュアルに着るときはスニーカータイプのほうがいいかな?というときってありますよね。そんなとき、今風のハイテクスニーカーは大人には痛い。かといってキャンバスのローカットは安っぽく見えがちだし、スニーカータイプのスエードスリッポンぐらいがちょうどいいように思うんです。表革というテもあるかも知れないけど、表革って足元が浮きがちなのでスエードの抑えた感じがハマるんです。」
公私ともに愛用されているデ・ペトリロのスーツに、フェデーリのクルーネックニットを合わせて足元はC.QPのスリッポン「JETTY」をセット。茶×黒のカラーリングに、黒ニット×黒スエードの素材感を組み合わせた、モダンなスーツカジュアルとなっています。
「このスタイリングなら、品良く見せられるので、カジュアルな仕事のスタイルにもハマります。実際に近しい関係者との打ち合わせなら、このC.QPのスニーカーで行っちゃいますね。」
▲ C.QP / レースアップ スニーカー
▲ デ・ペトリロ / 6B スーツ
▲ フェデーリ / クルーネック ニット
こちらはデ・ペトリロのダブルのスーツに白のクルーネックニット。リネンの軽さを引き立てるには、黒より白のニットのほうが爽やかさをも増してくれます。足元にはC.QPのレースアップタイプのスニーカー「TARMAC」を合わせてみました。スリッポンよりスポーティなシューズ選びには、スマートな若々しさも漂います。
「インが白ニットなので、白スニを合わせがちですが、黒スニの汎用性の高さを証明したくて。このスニーカーは、ソールが真っ白なのでこういう合わせ方でも黒スエードの重さが気にならないですね。」
この白ソールをキープするのが戸賀さんのキモ。汚れをこまめに拭き取って、つねにピカピカの白に仕上げるのだそうで、そのためにいろいろな工夫をされているそうです。
「それに赤とか青とか緑とかだと、どうしても色のイメージに引き寄せられますが、黒やグレー、白も含めてモノトーンはどんな色と合わせても分量さえ気をつければ主張しない無色なんです。スーツのブルーを活かす上でも、このスニーカー選びが正解だと思います。」
▲ C.QP / レースアップ スニーカー
▲ C.QP / スリッポン スニーカー
今回戸賀さんが選んだシューズは、ともにC.QP。スウェーデン・ストックホルム発のスニーカーブランドで、スマート&シンプルなデザインと、大人向けのカラーバリエーションで話題のブランドです。レースアップタイプの「TARMAC」は、ローカットとミドルカットの中間的なフォルムが特徴的な、ブランド誕生時のアイコン的なモデル。スリッポンタイプの「JETTY」は、ミニマルな足元を演出する大人スニーカー。ともに上質なスエードアッパーに、ホワイトソールを組み合わせた、B.R.SHOPの別注モデルです。
「毎回感心するのは、B.R.SHOPはクラシックなものやモードっぽいものを程よくカジュアルにこなすのがうまいところ。僕自身、ガチガチのクラシックもラグジュアリーモードも経験してきて、それをいかにミックスするか、いかにカジュアルダウンするかということを考えて服を選んでいるので、それがぴったりハマるんですよ。」
今回はC.QPのほどよい大人感あるスエードスニーカーが気に入ったそう。あえてスーツで合わせているのも、その微妙なニュアンスを汲み取ってのことなのでしょうか。
「なんでもかんでもスーツならスニーカーで着くずしちゃえ、というのは無理があります。スニーカーを合わせられるスーツ、合わせられないスーツがあると思うんです。逆に最近では本格靴よりスニーカーが似合うスーツもあります。だからといってビッグシルエットだとか太いパンツの、お洒落すぎるスーツ&スニーカーは、さすがに大人には痛々しい。ほどよく上品で、ほどよくカジュアル、その機微を理解しているスタイリングをB.R.ONLINEでは紹介しています。C.QPは、そのほどよく上品でほどよくカジュアルなスニーカー。ひと目で気に入ったというわけなんです。」
たしかにインパクト強すぎるハイテクスニーカーは、大人にトゥーマッチな気がしていたので、スーツに合わせるのにも、こういうスリッポンなら合わせてみようかなという気になります。
「で、いざ探してみると、このテのスリッポンってなかなかないんですよ。西海岸系のスケートブランドからもでているんだけど、どこにでも売ってるわけじゃないし、かといって若い人が選ぶようなストリート系のブランドは手を出しにくい。そういう意味でもC.QPは選びやすいインポートブランドとして、おすすめしたいですね!」
Producer : 大和一彦 / Photographer : 鈴木泰之 / Writer : 池田保行 (ゼロヨン) / Designer : 中野慎一郎