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FEATURE

あなたをお洒落にするもの / vol.2 AVINO

2017.04.18

Text : Kentaro Matsuo (THE RAKE JAPAN EDITION, Editor in Chief) / Photography : Tatsuya Ozawa

どうすれば、お洒落になれるのか、わからない・・・そんなお悩みを持つ方々にお送りする、ニュースタイル・コラム。THE RAKE JAPAN EDITION編集長の松尾健太郎が、各界の洒落者たちをお相手に、いま買うべきブランド&アイテムとその着こなし方、コーディネイトのコツについて語り合います。第二回目は、いま洒落者たちの間で話題のシャツ「アヴィーノ」を取り上げます。

株式会社アイネックス 代表取締役

仙田 剛 さん

金沢の創業1949年の老舗ネクタイ問屋の三代目。28歳の時に東京赴任、以来数々の新規取引先を開拓し、同社を業界ナンバーワンにまで育て上げた。年9回のイタリア出張をこなし、最先端のトレンドを製品に反映させている。もともとリヴェラーノ&リヴェラーノにて服を仕立てることが多く、そのシャツを担当していたアヴィーノと知己を得た。現在は日本におけるインポーターを務めている。

THE RAKE JAPAN EDITION 編集長

松尾 健太郎

1965年、東京生まれ。雑誌編集者。
男子専科、ワールドフォトプレスを経て、‘92年、株式会社世界文化社入社。月刊誌メンズ・イーエックス創刊に携わり、以後クラシコ・イタリア、本格靴などのブームを牽引。‘05年同誌編集長に就任し、のべ4年間同職を務めた後、時計ビギン、M.E.特別編集シリーズ、メルセデス マガジン編集長、新潮社ENGINEクリエイティブ・ディレクターなどを歴任。現在、THE RAKE JAPAN EDITION編集長。


アヴィーノを“発掘”した男

ネイビーのスーツは、フィレンツェの名店、リヴェラーノ&リヴェラーノで仕立てたもの。仙田さんのお気に入りのテーラーである。オックスフォード地で仕立てられたボタンダウン・シャツはアヴィーノ。タイはフランコ バッシ。時計はオーデマ ピゲのロイヤル オーク。グレイの文字盤が気に入っている。ムーブメントはあえてクォーツ。


アヴィーノの魅力

—— 松尾 : アヴィーノとは、どんなメーカーなのでしょう?

「そのスタートは2001年と、決して老舗ではないものの、現在世界で最もハイクオリティなシャツを作っているメーカーのひとつです。あの世界的テーラー、リヴェラーノ&リヴェラーノやダルクオーレのシャツオーダーを受けているくらいですから、その実力は確かです。」

—— 松尾 : 最初の出会いは、いつどこで、でしたか?

「フィレンツェの洋服見本市、ピッティの会場を歩いていたら、『ミスター・センダか? 俺はお前のことを知っている』と声をかけられたのです。彼がアヴィーノの当主フランチェスコでした。その後すぐに、ナポリへ工場を見に行きました。そして一発で気に入って、インポーターとなることを決意したのです。」

工房にて生地をカットするアヴィーノの当主、フランチェスコ・アヴィーノ氏。根っからのシャツ職人だ。

—— 松尾 : 最大の魅力は何でしょうか?

「ナポリ人なのに、生真面目なところです(笑)。とにかくきちんとしたモノ作りをしている。私にとって、久々に着やすいシャツでした。動きやすく、肩が凝らない。袖付けをハンドで行なっていて、肩の可動域が広いからです。アヴィーノのシャツは、袖、襟、前立て、ボタン、ボタンホール、背ヨーク、サイドのガゼット(三角布)、カフスの8カ所を手縫いで仕上げてあります。」

—— 松尾 : よいシャツは、やはりハンドで作られたものなのでしょうか?

「そうです。よいシャツの手っ取り早い見分け方は、脇の下を見ることですね。内側の縫い目がズレていれば、手縫いである証拠です。機械で縫ったものは、ここが一直線になっています。アヴィーノと安物との差は、一目瞭然です。」

シャツの着心地を左右するのが、袖付け部分。アヴィーノでは、大きめに作った袖を、小さめの身頃に、手でいせ込みながら縫い付けて行く(赤い糸が手縫い部分)。だから身頃のフィット感はそのままに、腕が動かしやすいのだ。赤糸と直角に交わる身頃と袖の縫い代がズレている。これがいいシャツの証拠。


ボタン付け、そして非常に手間のかかるボタンホールのかがりもハンドである。この部分を手仕上げにすると、ボタンホールが柔らかくなり、ボタンが留めやすくなる。


カフス部分のボタンとボタンホールもハンドである。特に留めにくい部分だけに、ここを手仕上げにする意味は大きい。力のかかりやすい部分のカンヌキも手で仕上げてある。


高級シャツのトレードマーク、サイドのバタフライ・ガゼットもハンドで縫い付けてある。機械に比べると「あまい」ハンドソーンだとクッション性が増し、力を逃がすことができる。


—— 松尾 : 使われている生地は、どんなものですか?

「アヴィーノは、イタリアの4つの生地屋から仕入れていますが、いずれも最高級メーカーです。特にカルロリーバは有名ですね。世界最高のシャツ生地と言われています。糸が細く、高密度なのです。スローな織機で織っているので、一日10m程度しか織ることができません。しかしそのクオリティは素晴らしく、肌にまとわりつくようです。」

アヴィーノに使われている生地は、イタリア産の最高級なもの。特にカルロリーバのクオリティは素晴らしく、肌にまとわりつくようだという。


今シーズンのトレンド

—— 松尾 : 今シーズンのトレンドは、どんなシャツでしょうか?

「クラシック回帰を受けて、特に襟の形が変わってきましたね。襟の開きはワイドスプレッドからレギュラー、そしてナローへと向かっています。ピンホールカラーやタブカラー、そしてラウンドした襟先も多くなってきました。それと平行して、アメリカ風のボタンダウン・シャツも再び注目されています。いずれもアヴィーノが得意とするところです。」

アヴィーノの最近の人気モデル。左のレギュラーカラーは、従来より襟の開きが小さいものがオン・トレンド。真ん中はタブカラー、右はピンホールカラー。どちらもクラシック回帰のトレンドを受けて、注目されている衿型だ。


オックスフォード地を使ったアメリカ風のボタンダウンも人気があるという。ボタンを外した着こなしが粋でおすすめ。

—— 松尾 : 他におすすめのデザインはありますか?

「アヴィーノは、どんなシャツでも作ることが出来る懐の深さも魅力です。例えばシャンブレーのフォーマルシャツや、完全にアメリカ風のボタンダウンなども作ることが出来るんですよ。」

アヴィーノの技術力の高さを示すアイテムたち。左はタキシードなどのフォーマル用のシャツ。中は変わり種、シャンブレー素材のフォーマル用シャツ。フロントには多くのプリーツが入っている。右は完璧にアメリカ風のボタンダウン・シャツ。ブルックス ブラザーズと見紛うばかり。


シャツの着こなし

—— 松尾 : シャツを着こなす上で、気をつけなければいけないことは?

「シャツはサイズが合っていることが大切です。まずネックサイズは、指が一本入るくらいが目安です。シャツ生地は、洗うと詰ってくるものです。ですからサイズ39の表示のシャツでも、実寸は39.5cmくらいで作ってあります。それから袖丈は、ジャケットの袖からシャツが1.5cmくらい出ることが理想です。しかしインポートのシャツだと、袖丈が長いことが多い。ここをお直しに出すことが重要です。今では、よいお直し屋さんが多くなったので、シャツの袖丈を直すことも、簡単にできると思います。」

シャツはとにかくサイズが大切と語る仙田さん。自身はオーダー品を愛用しているが、既製品の場合、袖丈はお直しに出すべきだという。

—— 松尾 : 合わせるネクタイはどんなものがいいですか?

「シャツのカラーの開きが狭くなってきていますので、ノットを小さく作れるタイがいいでしょう。前回ご紹介したフランコ バッシはおすすめです。またカラーステーは、コットンスーツなど、ちょっとカジュアルな雰囲気のときは外す。ウールスーツなど、きちんと見せたいときは入れるようにするといいでしょう。」

—— 松尾 : その他に注意すべき点はありますか?

「クリーニングに何回か出すと、生地が詰ってくることが多いものです。そんなときは、スチームアイロンをかけながら、生地を思い切り引っ張ると元に戻すことができます。クリーニング店に頼むと、やってくれる場合もありますので、確認してみて下さい。」

—— 松尾 : なるほど、クリーニングの出し方もコツがあるのですね。

「イタリアでは、普通の家にもランドリールームがあります。そこには洗濯機と、立ってかけられる大きなアイロン台があって、そこでランドリー関係はすべて出来るようになっているのです。そういう国で作られたシャツは、やはりクオリティそのものが違いますね。」

シャツの着こなしについて、数々の蘊蓄を披露してくれた仙田さん。アヴィーノのインポーターとしての造詣は、流石の一言。

—— 松尾 : 本日はありがとうございました。アヴィーノは、洒落者なら一度は袖を通してみたいシャツといえますね。

「その通りです。一度体験すると、もう他のシャツは着られませんよ(笑)」


THE RAKE JAPAN EDITION Issue 14 2017.1.24 発売

THE RAKE JAPAN EDITION Issue 14
2017.1.24 発売


THE RAKEとは、2008年にシンガポールで創刊されたメンズマガジンです。ファッションを中心に、時計、クルマ、旅、グルメなど、全方位的なライフスタイル情報を提供します。INTERNATIONAL EDITIONの編集部はロンドン、発行元はシンガポールにあり、スタッフは世界各地を飛び回っています。JAPAN EDITIONは、「いま世界では、何が“上質”とされているのか」ということを軸に、本国版から翻訳した記事と日本独自のコンテンツを合わせ、世界レベルに標準を合わせた質の高い情報を紹介していきます。

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