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FEATURE

NAKAMURA TATSUYA PRESENTS THE ESSENTIALS Vol.12

2014.01.14

NAKAMURA TATSUYA PRESENTS THE ESSENTIALS 〜案ずるより着るが易し〜 Vol.12 ダブルの紺ブレはシルバーボタンが今時

Producer: 大和一彦 / Stylist: 中川原寛(CaNN) / Photographer: 人物:谷田政史(CaNN) 静物:植野淳(植野製作所) / Hair&Make: 古川純 / Writer: 寺田慎一(GtN-48) / Creative Director: 中野慎一郎

一年に渡って続いてきたビームスが誇るファッションプロフェッサーこと中村達也さんの連載『THE ESSENTIALS』も、残念ながらこれで最終回。氏の深~い造詣から生み出されるファッション提案がこれで最後になると思うと、もの悲しいやら心細いやら……、グスン(泣)。とはいえ、気落ちをしていても何の解決にもなりませんよってことで、最終回もプロフェッサーに無理難題を投げかけちゃいました。そのお題はというと「今、最も旬で最も使えるジャケットってなんですか?」という、いつもにも増して難儀なモノ。にもかかわらず、我らが中村さんはそんな質問にも、サラリと答えてくれちゃいましたよ。絶大なる人気を博した本連載のトリを飾るアイテムは、我々の質問に対する氏の回答“シルバーボタンのダブルの紺ブレ”です。

中村 達也

中村 達也さん

1963年生まれ。大学4年の秋にBEAMSでアルバイトを始め、卒業と同時に入社。 BEAMS SHIBUYA、BEAMS F 店長、BEAMS F バイヤーを経て、現在、BEAMS F、Brilla per il gustoの2セクションを統括するクリエイティブディレクター。その深い知識から生み出される本質を捉えるスタイルが、幅広い層から支持されている。

ボタンひとつで印象は激変

今、最も気になっているジャケットこそが、今回オススメさせていただく“ダブルブレストでシルバーボタンの紺ブレ”です。実はこの手のブレザーは、今、イタリアのファッショニスタの間でも注目される、最も旬なアイテムなんですよ。しかも、コンサバティブな彼らから愛されているというだけあって、とても使い勝手が良い。だからこそ、今回のお題にはピッタリだなぁ、と思ったんです。実際、私自身も最近よく身に付けていますしね。結局のところ、こういう定番をちょっと進化させたアイテムほど、ディテールのサジ加減が重要になってきますから、最終回の今回は、その辺のところもトコトン掘り下げてお話しさせていただければと思います!!

本日お召のダブルの紺ブレはカンタレリのプラネットジャージー。元々はネイビーの貝ボタンが付いていたモノを、シルバーボタンにカスタマイズしたんだとか。数年前の一着にも関わらずとってもモダンに見えるのは、今時感たっぷりなディテールの恩恵だったんですね。氏曰く「ボタンのカスタマイズは簡単で費用対効果も高いのでオススメですよ」とのこと。確かに本日の着こなしを見れば、それも納得、ですね。
ジャケット/カンタレリ プラネットジャージー、パンツ/PT01、シャツ、チーフ/ともにビームス F、ニット/ジョン スメドレー、シューズ/フラテッリ ジャコメッティ(すべて中村さん私物)

実際、シルバーボタンが付いたダブルブレストの紺ブレは、店頭でもとても動きが良いんです。仕入れてもすぐ売り切れてしまう勢い、と表現すればご理解頂けるのではないでしょうか? イタリアのみならず、日本でもファッション感度が高い人たちは、徐々に注目してきているんでしょうね。そもそもメタルボタンのブレザーが最後に流行ったタイミングはというと、80年代の後半。白の貝ボタンがその後一時的に流行ったりもしましたが、メタルボタンはそれ以降、一度も日の目を見ていません。で、当時は圧倒的にシングルブレストでゴールドボタンのモノが主流でした。その頃はフレンチカジュアル全盛期で、オールドイングランドやラルフローレンのものが売れに売れていたんです。それにデニムやウエストンのローファー、そしてセントジェームスのボーダーシャツやボタンダウンシャツを合わせたりして。ちょっと懐かしい感じもしますが、着こなし自体は、今でも十分通用するんじゃないかとも思うんです。でも今、ブレザーを着るのであれば断然オススメなのは、ダブルでシルバーボタンのモノ。ダブルブレスト人気と、ミリタリー的なイメージもあるシルバーボタンが相まって、すごくこなれて見えますからね。ちなみにラペルは前回もお伝えしたように太いもの、ボタンはアンティーク調のものを選ぶと、さらに今季的になりますよ。

ダブルのジャケットを着る際に気を付けることは、“ヌケ感”を意識することが大切」と語る氏。ゆえに本日のようにニットなどを合わせて柔らかい印象にしたり、タイドアップをするときなどにはデニムを合わせたりするのがオススメなんだとか。いやはや、最後の最後まで、本当に中村さんの話は勉強になりますね~。

シルバーボタンのダブルの紺ブレって、ゴールドや貝、そして練りボタンのモノに比べてとってもこなれて見えるんですよ。だからスポーティなスタイルが全盛の、今の時代感にもとってもマッチングが良いんじゃないかと思います。だからこそ合わせるボトムスは白パンや白デニやジーンズ、足元もスポーティなモノを選びつつ、軽快にまとめ上げることをオススメします。私の今日の合わせのようにローファーなどでもいいでしょうし、場合によってはスニーカーなどでも相性は良いでしょう。とにかく、今、ダブルブレストの自由度はどんどん増しているんです。特に今回のようなブレザーの場合はその傾向が顕著ですので、堅苦しい合わせに陥ることなく、オン・オフ問わず、より自由で軽やかな発想で、ダブルのブレザーを皆さんにも着てほしですね。

ご多忙な身にも関わらず、一年間編集部の無理難題に気さくに答えてくださった中村さん。懇切丁寧な解説、本当にありがとうございました。これからも不定期ながら隙を見てはファッションの提案をしていただければなぁ、な~んて誠に勝手ながら目論んでおりますので、その際にはこれまで宜しく、柔らかい物腰&わかりやすいご説明をお願いできればと思っております(謝)。

TATSUYA’S CHOICE’S

堅苦しい発想と着こなしは不要

“ダブルはキッチリ着なければいけない”なんていうのは、とっても前時代的な発想です。そもそも今のダブルブレストはすごく軽快な作りになっていますからね。しかもそれがシルバーのメタルボタン仕様になれば、さらにヌケ感が増すわけですから、当然、スポーティな合わせをオススメします。インナーはカットソーなどでもいいですし、シャツを着た際には柔らかい雰囲気をプラスするために、間にニットを挟むといいでしょう。足元もそのテイストに合わせて、スニーカーやローファーといった軽い印象のモノの方が相性が良いんです。とにかく、堅苦しさとは無縁なのが今のダブルの紺ブレですから、着こなしの発想も、今まで以上に自由で良い!! それこそが今のダブルの本質的な魅力ですからね。

ジャケット タリアトーレ ¥99,750 / ニットジョン スメドレー ¥26,250 / パンツ PT01 ¥34,650 / ベルト アンダーソンズ ¥13,650 / シューズ ディアドラ ¥22,050

ジャケット タリアトーレ ¥99,750 / シャツ ダノリス ¥21,000 / ニットドゥルモア¥26,250 / パンツ ヤコブコーエン ¥37,800 / ベルト アンボワーズ ¥13,650 / シューズ ドゥカルス¥44,100
(問い合わせ先 すべてBEAMS F TEL: 03-3470-3946)

BEAMES INFORMATION

  • ELEMENTS OF STYLE
  • BEAMS F
  • Brilla per il gusto

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