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MASTUO KENTARO PRESENTS EDITORS CHOICES Vol.9

2013.09.29

MATSUO KENTARO PRESENTS EDITORS CHOICES Vol.9 ヤコブコーエンがジーンズを変えた!

Text 松尾 健太郎 / Photographer 鈴木泰之

メンズ・ラグジュアリー誌の世界で活躍中の松尾健太郎さんに、こだわりのアイテムをご紹介いただく、『EDITORS CHOICES』。第9回目は、“テーラード・ジーンズ”という新しいジャンルを切り拓いたJACOB COHEN (ヤコブコーエン)についてです。

松尾 健太郎さん

1965年、東京生まれ。雑誌編集者。 男子専科、ワールドフォトプレスを経て、 ‘92年、株式会社世界文化社入社。 月刊誌メンズ・イーエックス創刊に携わり、 以後クラシコ・イタリア、本格靴などのブームを牽引。 ‘05年同誌編集長に就任し、のべ4年間同職を務めた後、時計ビギン、M.E.特別編集シリーズ、 及びメルセデス マガジン編集長として活躍。現在ENGINEクリエイティブ・ディレクター。

コダワリ満載の“テーラード・ジーンズ”

ヤコブコーエンは“テーラード・ジーンズ”という新しいジャンルを切り拓いた、立役者です。その特徴は、テーラード・パンツの裁断、縫製方法をそのままジーンズに持ち込んだところで、ミシンをカスタムし、ミリ単位で微調整を加え、ベルトループだけで4つの工程を経るなど、恐ろしいほどのコダワリが詰まっています。使われている素材も、世界に冠たる日本製をはじめとした、最高級のものです。
しかし、ただひたすらいいモノを作るだけでは、今の世の中、残念ながらダメで、それをいかに顧客に認知させるかという“作戦”が大事なのです。ヤコブコーエンがうまかったのは、その作戦の部分です。商品自体を、媒体にし、考えつく限りの付加価値を、付与することに注力したのです。

最初は、リアのパッチでした。安物のレザーが定番だったパッチ素材を、ハラコやクロコなどの、高級素材で作りました。それから、大きなタグをいくつも付けて、そこに製品のウンチクを盛り込みました。素材の素性を明記して、ダブルネームを作りました。シルエットごとに名前を付け、特徴を際立たせました。ストーン・ウォッシュがかかった製品には、それに使った天然の軽石も付けました。 ヤコブコーエンという、どこかエキゾチックなブランド・ネームも、作戦の一環です(そんな人が、いるわけではないのです)。挙げ句の果てには、製品自体に“いい香り”まで付けてしまいました。

ジーンズという、当たり前のアイテムに、これでもかと新しい付加価値を盛り込んで、それをダイレクトに顧客に認知させ、あっという間に、トップブランドに登り詰めたのです。これから自分でブランドを興そうと思われている方には、ヤコブ コーエンは格好の教材になると思います。

かく言う私も、ヤコブ コーエンの作戦にやられっぱなしで、持っているジーンズの3分の2はヤコブです。昔から好きなのは610という品番で、これは、ワタリはややゆったりしているけれど、裾は細くテーパードしているというモデルで、今風ジーンズの先駆けといえます。
まるで、テーラード・スーツのパンツのようなシルエットなので、ジャケットに合わせるのに最適ともいわれていました。股上も深いので、私のような、下半身デブ(ヘソから下が、ぽっこり出ている)には、持ってこいのフィット感です。今なら688もいいですね。
その他にも、620、622など、シルエットによって名前が分かれており、自分に合ったモデルを見つける楽しみがあります。他のブランドと比べる前に、ヤコブの中で、迷ってしまうのですね。こうなると、もう一人勝ちです。

今回チョイスしたB.R.SHOP別注のホワイト・ジーンズは、一見すると普通の生地なのですが、実は12オンスという厚めのデニム地で出来ています。意外なことに、今まで、ヤコブ コーエンのホワイト・ジーンズには、厚手の生地がなかったらしいのです。これは盲点でした。そういえば、私がかつて持っていたモデルも、平織りの薄手地でした。
私は、やはりジーンズは、どっしりとしてジーンズらしく、洗い込んで行く楽しみもある、厚手のデニム地の方が好きで、たぶんそういう人は多いと思うので、この商品は必ずヒットすると思います。

それにしても‥‥、学生時代は28インチだったウエストサイズが、いまでは33です。持っているジーンズが、どんどん穿けなくなって行きます。初めてヤコブを買ったのは、確か10年くらい前だったと思いますが、その時は31でした。前出のホワイト・ジーンズも、入らなくなってしまったのです。
布帛のパンツなら、ある程度お直しが利きますが、ジーンズだけは、そうはいきません。そう考えると、ジーンズって、若々しいアイテムであると同時に、年齢を感じさせる、とっても残酷なアイテムでもありますね(泣)

本日の松尾さんコーデ

B.RSHOP別注のホワイト・ジーンズ。エンメティのM-65型スエード・ジャケットに、オリアンのシャツ、フランコ バッシのスカーフ、足元はウエストンのリザード・ローファー、サングラスはペルソールという、これ以上ないくらい定番的なジーンズのコーディネイトです。(今日は撮影なので、がんばって32を穿きましたが、やっぱりキツくて、撮影中お腹が痛くなってしまいました‥‥)

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