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BLOG / Jiro Yamazaki

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ウディ・アレン監督最新作『ブルージャスミン』

2014.03.26

ケイト・ブランシェットが『アカデミー賞』主演女優賞を獲得したことで、話題が増したウディ・アレン監督最新作の『ブルージャスミン』。 

yamabloudymain.jpg毎年1作、コンスタントに新作を撮り続け、それでいてクオリティは上がって行く。そんな愉しみをこれまで当たり前のように享受してきた。

継続するものが好きだけど、時に、当たり前過ぎて、有り難みが薄くなっているのも事実。アレンのもう78歳なのだから。

そんな事をまず思いながら、新作を観た。ヨーロッパを舞台した作品を撮った後、ニューヨークに戻ったアレンが、今回、舞台に選んだのはサンフランシスコ。「まるでヨーロッパみたいね」と、ニューヨークからシスコに逃げるように居を移した、ブランシェット演じる主人公が、海を観ながら言うシーンがあるが、アレンはシスコをロマンティックたっぷりな街に撮っている。

役者でなく、まず舞台となる街を主にしてプロジェクトを進めているかのように思える。でも、それって悪くないし、その街にしか映せない絵が、転がらないストーリーがあるのではないか?

yamabloudy1.jpgブランシェット演じる主人公は、ビジネスで大成功した、アレックス・ボールドウィン演じる夫のお陰で、これまでニューヨークで贅沢三昧をしてきた。が、違法行為で逮捕され全財産を没収され、一文無しになった彼女は、サリー・ホーキンス演じる妹が住むシスコに移り、妹に家に居候を始める。が、セレヴ気分が抜け切れないブランシェットは現実に向き合うのが辛く、精神安定剤の力を借りながらも、なんとか、新しい暮らしを始める。

yamabloudy3.jpgパーティでピーター・サースガード演じるエリート外交官と知り合い恋に墜ち、プロポーズされ、再び、セレヴの生活に戻れるかと思ったら.........。なんというビターな結末なのだろう。これまでの軽やかな幸せに落ち着くアレンの演出とは明らかに異なるエンディング。

yamabuloudy2.jpgが、ストーリーはいつものように軽やかに転がって来ただけに、見終わった感覚は、決して重くはならない。そこに更なる高みに昇るアレンの今があるように思えた。

yamabloudy5.jpgそして何より。これまで、数々の女優の新しい扉を開けさせてきたアレンだが、今回、見事にブランシェットをネクストへと羽ばたかせた。美しくも鼻持ちならないこの役はまさに彼女にぴったりだし、英華を誇った昔と、墜ちた今を交互に見せていく展開で、落差を見事に表現していた。複雑な主人公の性格もだ。是非、映画館に足を運んで欲しいとお薦めしたい1本であることは間違いない。

『ブルージャスミン』

監督・脚本:ウディ・アレン
出演:アレック・ボールドウィン、ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、ピーター・サースガード
2013年/アメリカ/1時間38分/英語 
提供:KADOKAWA、ロングライド
配給:ロングライド © 2013 Gravier Productions, Inc.

5月10日(土)、新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマ、 シネスイッチ銀座ほか全国公開! 

Photograph by Jessica Miglio © 2013 Gravier Productions, Inc.
Photograph by Merrick Morton © 2013 Gravier Productions, Inc.

PROFILE/

portrait

山崎 二郎Jiro Yamazaki

BARFOUT! / Steppin’Out 編集長
クリエーター・移動主義者

1965年埼玉県生まれ。出版社・株式会社ブラウンズブックス代表。ミュージック&カルチャー・マガジン『BARFOUT!』、挑戦し続ける大人たちへ送る不定期刊行雑誌『Steppin' Out!』編集長。DJ /選曲家、クリエイティヴ・ディレクター、ロゴ・デザイナー、作詩家としても活躍。様々なカルチャーシーンを駆け抜ける移動主義者。

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